ポンスケの住んでいる街は田舎であります。
一応、大型スーパーはお互い意地の張り合いのように何件かあります。
人々の娯楽はほとんどパチンコじゃないかというくらい、
パチンコ屋の駐車場は平日から大盛況。
考えてみたら、娯楽施設があまりないのね。
そういう街で一番ホットなスポット(えらいこと古い言葉だ)なのが、
ツタヤなのです。本とレンタルの、あのツタヤ。
パチンコ屋同様、昼間から駐車場は混雑。
でも、店内に入るとそれほど客がいない。
その昔、ある後輩が、
『ポンスケさん。ツタヤマジ熱いっすよ!スゲーよ(以下省略)』
と意味不明なことを言っていて、
なんのことか聞いてみると、
夜中はナンパスッポットと化し、
さらにはナンパ待ちの女性がいるというのです。
ポンスケはそういうとこで出会いを求めちゃいない性質なので、
まったく気にもせず、夜中のツタヤなんて行くことはなかったのです。
それから数年後のつい最近。
レンタルのDVDの返却をうっかり忘れていて、
あわててツタヤに行きました。
田舎でも、24時間営業なんです。
んで、夜中1時くらいに駐車場に着くと、
明らかに自分とは方向性が違う車がわんさかいました。
いったいどこからやってきて、
ここで何の集会を開いちゃってるの?と言いたくなるほど、
爆音響き渡るその車たち。
その中をかき分けて、店内に向かいます。
因縁をつけられてもいいように、武器はないかと車内を見ると、
ゴルフクラブが数本あったので、まあ大丈夫だとは思ったよ。
筋無力症なんで喧嘩なんかしたくもないのですが。
一応ポンスケは男なので、
因縁をつけられたら黙ってはいられないのです。
多少の期待(田舎のはぐれキャラたちにいちゃもんをつけられるのを待っていた)
はあったのに、彼ら(もしくは彼女ら)はスルーしてきます。
考えてみたら、そのときポンスケの服装は、
派手な柄のパンツに金のシューズに黒のジャケットと、
本人はお洒落だと思って着ている服も、
彼らからしてみれば、「関わってはいけない」人に映るんでしょう。
前に、ススキノで上下派手な柄のスーツを着ていたとき、
こわもてのお兄さんたちとは目も合いませんでした。
そんなもんですから、ボッタクリのポン引きにも合わないし、
街角で配っているポケットテッシュすらもらえません。
自己防衛には使えるなぁと思いつつも、
こんな服装じゃデートできんよなぁ、としみじみ思う。
もちろん、ツタヤの店内には期待を裏切らないような方々が、
ジャラジャラと小銭をならしてサングラスをかけて、
徘徊をしております。
彼らは、レンタルのDVDを物色しているわけでもなく、
かといって本を立ち読みしているわけでもなく。
その昔、後輩が『マジやばいっすよ~』
と言っていたように、
1人でやってくる女性を引っ掛けようと目をギラギラさせているのです。
奇特なもので、そういう目的で来ている女性もいるので、
需要と供給ができているのに納得しちゃう。
だけどさ。
ツタヤじゃなくていいじゃん!
郊外には、もっと広い駐車場のある24時間営業のスーパーがあるのに。
頼むからそっちに行ってね。