恩田陸は今回も仕掛けに失敗している。もういいかげんこういう小さな話はやめにすべきだ。例えば100歩譲ってこの話でもいいとする。その場合でも、もう少ししっかりと人間を描くなり、背後の世界を描くなりしてくれないと、あまりに説得力がなさ過ぎて、しらけてしまうばかりだ。
お話の辻褄あわせなんて、いいからもっとしっかり世界観を見せるなりして欲しい。絵空事の世界ではなく、血の通った人間世界を、である。ミ . . . 本文を読む
先週、秋原正俊という人の映画を始めて見た。『春の居場所』という小さな作品である。決して満足のいく作品ではないが、ほんの少し気になる部分がある映画で、(これを映画といっていいのか、というくらいに、さりげない作品だ)僕の誤解かも知れないが、この作者はとても微妙な人間の気持ちを丁寧に描きとろうとしているのではないか、なんて思った。
たった10年程の時間の経過で、あれほど好きだった男の子の顔を見忘れ . . . 本文を読む
リュック・ベッソンが特別な監督だった時代。デビュー作『最後の戦い』を見た時の驚き。こんなにもシンプルで美しい映画を作るフランスの新しい才能との出会いに歓喜する。その前後『サブウェイ』である。(順番に見たのか、もしかしたらこっちを先に見たのか、定かではないのは何故?)この映画は僕にとっても、そしてたくさんの映画ファンにとっても忘れられない1本だろう。
ジャン・ジャック・ベネックスと並んで、フラ . . . 本文を読む