
井筒和幸監督の最新作だ。今回は、また、彼のお得意であるガキを主人公にした話だ。要するに現代版『ガキ帝国』なのである。だが、ここにはあの映画のようなロマンはない。さらには『岸和田少年愚連隊』にあったノスタルジーもない。この殺伐とした世界はなんだろう。痛ましいというよりも、目を覆いたくなるような暴力が、ただ不快になるように描かれていく。
人を殺しても平気なチンピラ以下の青年たち。彼らの無軌道というよりも、何も考えていないような生き様が、だらりとしたタッチで展開する。彼らには加減という物がない。どこまでやれば人は死ぬのか、なんか考えない。ただ感情の赴くまま、である。ほとんど動物だ。そこがとても怖い。
エスカレートするガキどものケンカが、ケンカにすらならないような愚かさに繋がる。前後を考えず、衝動的に行動する。その結果、身の破滅に到る。井筒監督は確信犯的にこういう映画を作ろうとしている。今という時代の気分をここに封じ込めようとしたのか。こういう無軌道な青年たちを描くことで何を伝えたいと思ったのかは、よくわからない。ただ痛ましいとしか言いようがない。これに共感なんかできないが、否定する気もない。彼らの抱える焦燥感はわかる。夢がないわけではない。お笑いで自分を表現できたならいい、と思っている。だが、なかなかうまくは行かない。そんなこと当然のことだろう。鬱屈するものがある。そんな主人公が、ヒーローショーのバイトに入って、そこで、事件に巻き込まれることになる。
エスカレートしていく暴力には、歯どめが効かない。あれよあれよという間に、取り返しのつかないこととなる。彼らはきっとなんでこんなことになるのか、と思っただろう。だが、こんなことになるのは、当然の話だ。なのに、まるで当人たちにはその自覚がない。そんな愚かさがなんとも悲しい。この群像劇に出てくるもう子供とは言い難い年齢のやつらが、まるでただのガキのように、暴力を行使し、破滅していく様をかなりの距離感を保って描いていく。共感ではない。これはバカでしかないそんな彼らへの挽歌である。
人を殺しても平気なチンピラ以下の青年たち。彼らの無軌道というよりも、何も考えていないような生き様が、だらりとしたタッチで展開する。彼らには加減という物がない。どこまでやれば人は死ぬのか、なんか考えない。ただ感情の赴くまま、である。ほとんど動物だ。そこがとても怖い。
エスカレートするガキどものケンカが、ケンカにすらならないような愚かさに繋がる。前後を考えず、衝動的に行動する。その結果、身の破滅に到る。井筒監督は確信犯的にこういう映画を作ろうとしている。今という時代の気分をここに封じ込めようとしたのか。こういう無軌道な青年たちを描くことで何を伝えたいと思ったのかは、よくわからない。ただ痛ましいとしか言いようがない。これに共感なんかできないが、否定する気もない。彼らの抱える焦燥感はわかる。夢がないわけではない。お笑いで自分を表現できたならいい、と思っている。だが、なかなかうまくは行かない。そんなこと当然のことだろう。鬱屈するものがある。そんな主人公が、ヒーローショーのバイトに入って、そこで、事件に巻き込まれることになる。
エスカレートしていく暴力には、歯どめが効かない。あれよあれよという間に、取り返しのつかないこととなる。彼らはきっとなんでこんなことになるのか、と思っただろう。だが、こんなことになるのは、当然の話だ。なのに、まるで当人たちにはその自覚がない。そんな愚かさがなんとも悲しい。この群像劇に出てくるもう子供とは言い難い年齢のやつらが、まるでただのガキのように、暴力を行使し、破滅していく様をかなりの距離感を保って描いていく。共感ではない。これはバカでしかないそんな彼らへの挽歌である。