
昨日見たAプログラム(Aside)が面白かったので、調子に乗ってBも見せてもらうことにした。ほぼ毎回全席完売らしいので無理なら仕方ないけど、というくらいの気分で問い合わせたのだが、ラッキーにもOKだった。よかった。
こちらはAほど刺激的ではないけど、素直に笑える作品が並ぶ。たぶんほとんどの観客はこちらのほうが好きだろう。僕が先にこちらを見ていたら、きっとAは見ない。ここには単純に笑える作品が並ぶ。ということは、いささかひねりが足りない、ということだ。毒がないわけではないけどあまりに薄いから僕には物足りない。
『イルミナイト』。37歳、バイトしながら街灯で歌うストリート・ミュージシャンが主人公(前説から続けて、古川剛充が演じる)。そんな痛い男に、恋人は「別れて!」と言う。人通りの少ない寝屋川市駅近くの歩道橋(だった、と思う)で、もう10時過ぎ。
歌っているところに、バイト先のコンビニ店長が来る。いきなり20年付き合っている恋人も来る。あまりに場当たり的展開が続く。そんな安易さが楽しい。さらにはまさかの展開。簡単には終わらない二転三転。確かに笑えて、ほっとする。摑みとしては悪くない。
続く2話(『ドクタードクター』)はこれまたバカバカしいドタバタコメディ。さらに続く3話(『ホワイトアウト』)もシチュエーション・コメディ。ここには詳細な内容は書かないけど、それぞれ確かに面白いが全体の構成があまりに単調過ぎた。ひねりが足りないと最初に書いたけど、個々の作品は作者(小西透太)的にはかなり練っている。だけどAには及ばない。問題は全体図である。3本の配列と作品選定。短編集はそれが難しい。微妙な匙加減で印象が変わるから難しい。