昨年の第2作に続いて2年連続で放つ第3作だ。原作自身は壮大な大河ドラマなのに、前回はなんとたった2日間の話で、驚いた。こんなアプローチをするのか、と思ったし、あれには感心した。
さて、今回は何を見せてくれるのか。膨大な原作をなぞると、それはただのダイジェストにしかならない。映画だから可能なアプローチを試みる、はずなのだが。
当然お話は前作の続きである。だが、前半は秦王(吉沢亮)の過去を描く話で、なかなか本題に入らない。寄り道はいらないとイライラする。杏演じる運び屋との話だ。しかも、この人質になっていた彼の救出話にはあまり緊張感はなく、無駄なエピソードだ。先を急ぐ必要はないけど、TVドラマじゃないんだからこんな瑣末のエピソードで話を長引かせる必要性は皆無。
後半になってようやく信(山崎賢人)の話(馬陽の戦い)になる。趙が大軍を率いて攻めくる。それをなんとかして撃破するという定番の展開。凄まじいスペクタクルを今回も見せてくれる。
ただこんな感じでストーリーを展開させていたらいつまでたっても話は終わらない。今回だって、最後はここからお話は始まる、って感じで、次回に続く前哨戦。1本の独立した映画にはなっていないのが、残念だ。中華統一に向けての第一歩を描く第一作のラストをまた繰り返すようではさすがに飽きてくる。映画ならではのまとめ方をして見事に次回で完結させて欲しい。