『ヘアー・スプレー』の監督と組んでトム・クルーズは放つミュージカル映画。ここで彼は伝説のカリスマロック・ミュージシャンを演じる。かなりバカバカしい設定で、極端なキャラクターを嬉々として演じる。でも、こういうゲスト出演はかなり難しい。これまでも群像劇でおいしいところをかっさらうという行為は何度かやってきたし、流れとしては『マグノリア』に近いラインの仕事だろう。だが、ポ-ル・トーマス・アンダーソンと、アダム・シャンクマン は違う。こういう若々しいキャストを立てる映画では大スター、トム・クルースは、上手く脇にはまわれない。彼はどうしてもスターすぎて、どこにいても中心でしかない。その結果、映画のバランスを崩す。
だいたい主役の2人がどれだけ出番が多くても、一瞬しか登場しない(そのくせ、ポイントでは必ず登場する!)トムに、すべてをかっさらわれてしまうのは、映画としては問題だろう。それではこれがなんの映画なのかすらわからなくなる。
80年代後半ロサンゼルス。ロックンロール。ボーイ・ミーツ・ガールのサクセスストーリー。この定番のドラマが輝くためには、なぜ今この話を持ってくるのかが明確でなくてはならない。2012年でなければ描けない1987年が必要なのだ。なのに、これはただのノーテンキなミュージカルでしかない。こんなアナクロ映画を今頃作って何をしたいのか。それすらわからないようでは、意味がない。田舎から出てきてスターを夢見る少女と、同じようにスターを目指す少年。彼らがお決まりのストーリーをなぞるだけの映画に誰が興味を持つだろうか。ありえない。
だいたい主役の2人がどれだけ出番が多くても、一瞬しか登場しない(そのくせ、ポイントでは必ず登場する!)トムに、すべてをかっさらわれてしまうのは、映画としては問題だろう。それではこれがなんの映画なのかすらわからなくなる。
80年代後半ロサンゼルス。ロックンロール。ボーイ・ミーツ・ガールのサクセスストーリー。この定番のドラマが輝くためには、なぜ今この話を持ってくるのかが明確でなくてはならない。2012年でなければ描けない1987年が必要なのだ。なのに、これはただのノーテンキなミュージカルでしかない。こんなアナクロ映画を今頃作って何をしたいのか。それすらわからないようでは、意味がない。田舎から出てきてスターを夢見る少女と、同じようにスターを目指す少年。彼らがお決まりのストーリーをなぞるだけの映画に誰が興味を持つだろうか。ありえない。