好きな子のことで頭がいっぱいの高校生たちの告白までのラブストーリー。64分という上映時間が心地よい。幼なじみで、お隣同士のふたり。お互い好き同士なのに、恥ずかしい気持ちが先に立ち、気持ちを正直に伝えきれない。今までもずっといっしょにいたから、この期に及んで真面目に向き合うなんて照れくさいし、ムリ。でも、女の子は勇気を出して、「好きです」と告白する。なのに、男の子は冗談だろ、と混ぜ返してしまう。なんと、王道。定番。
だから、混ぜ返すしかない。そんなこんなで、ホントの気持ちを上手く言えないまま、すれ違う想い。さぁ、ふたりの恋の行方は。 さらには、ライバルも出現こんなふたりを中心にして、男の子4人と女の子3人を主人公にした群像劇で、ということは、誰かがあぶれてしまう。(最初は誰が誰やら、区別もつかない)切ない想いに揺れる。最後はもう一度、告白。どうなるか? この小さな小さなお話。ここにはそれ以外のことは何もない。
しかし、その瞬間、彼らにとって、それがすべてなのだ。そんな彼らが眩しい。こんなアニメーション映画を見るなんて、思いもしなかったけど、見てよかった。真正面から、恥ずかしがらずに、いつの時代にも通じる普遍的な想いを描く。過激なアニメや、おたくにしか、通じないアニメも多々あるけど、こんな素直で正直なアニメもあるんだ、と驚く。もちろん、新海誠の作品のようなハイレベルではないけど、ささやかながら誠実なこういう作品もこの世界には必要だと思う。(なんと、大げさな!)