2010年の『汽車はふたたび故郷へ』以来となるイオセリアーニの久々の新作だ。前作は自伝的作品で情緒的な作品だったけど、今回はいつもの彼に戻ってノンシャランとした映画のようだ、と期待した。なのに、なんだかまるで乗れない。
映画はしりとりのような展開をする。あるエピソードのお尻で次のエピソードの人物が登場し、そちらにカメラがついていく、というパターンで次の話が、と、だらだらと流れていく。作品の態を為さない。その場しのぎに、いいかげんに進んでいく。一貫したドラマはない。10数人のキャストによるどうでもいいようなささいなエピソードを順次ぐるぐる見せていくばかり。彼らがカメラの前に入ったところで追いかけていき、他の人物がすれ違ったら、またそっちについていく、というくらいに行き当たりばったり。
フランス革命時のギロチンによる処刑のシーンから始まり、20世紀のどこかの戦場での略奪シーンを見せ、ようやく舞台となるパリの街に入る。そこでもスリの集団による絶妙なチームプレイで強奪する姿をまず見せる。そのメンバーたちと、ふたりの老人を主要キャストにして、彼らの数分間のショートエピソードを網羅していく。
中心にいるこの老人たちにしても、なんとなくセンターにいるだけで、彼らのお話として全体が収斂していくわけでもない。風刺劇として描かれるユーモアに彩られたいくつものエピソードを見ながら、確かにそれは、ふふっと笑えるけど、まったくメリハリがなく、フラットな2時間は少し退屈。それでも確かにいい映画だ、とは思うけど、僕の胸にはあまり届かない。初めて見た彼の映画『月曜日に乾杯』の衝撃的な感動はここにはない。
映画はしりとりのような展開をする。あるエピソードのお尻で次のエピソードの人物が登場し、そちらにカメラがついていく、というパターンで次の話が、と、だらだらと流れていく。作品の態を為さない。その場しのぎに、いいかげんに進んでいく。一貫したドラマはない。10数人のキャストによるどうでもいいようなささいなエピソードを順次ぐるぐる見せていくばかり。彼らがカメラの前に入ったところで追いかけていき、他の人物がすれ違ったら、またそっちについていく、というくらいに行き当たりばったり。
フランス革命時のギロチンによる処刑のシーンから始まり、20世紀のどこかの戦場での略奪シーンを見せ、ようやく舞台となるパリの街に入る。そこでもスリの集団による絶妙なチームプレイで強奪する姿をまず見せる。そのメンバーたちと、ふたりの老人を主要キャストにして、彼らの数分間のショートエピソードを網羅していく。
中心にいるこの老人たちにしても、なんとなくセンターにいるだけで、彼らのお話として全体が収斂していくわけでもない。風刺劇として描かれるユーモアに彩られたいくつものエピソードを見ながら、確かにそれは、ふふっと笑えるけど、まったくメリハリがなく、フラットな2時間は少し退屈。それでも確かにいい映画だ、とは思うけど、僕の胸にはあまり届かない。初めて見た彼の映画『月曜日に乾杯』の衝撃的な感動はここにはない。