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映画・演劇のレビュー

『生き残るための3つの取引』

2012-01-23 23:05:16 | 映画
 いくらなんでも、これはあまりに強引すぎませんか? 監督は『シティ・オブ・バイオレンス 相棒』や『クライング・フィスト 泣拳』のリュ・スンワン。彼らしい、と言えば、確かに彼らしいのかもしれない。テンポもいいし、問答無用な荒っぽい展開で、見るものを引き込む。でもこんなのでいいのかなぁ? 大体、ここまで韓国の警察とか、検察っておバカなのか。なんだか、出て来る人がみんなバカ過ぎて、とてもじゃないけど、本気とは思えない。大体、アクション映画が得意なリュ・スンワンが、こういう頭脳戦みたいな映画を作るのって、無理がある。もっと繊細な作り方が必要なのではないか。これでは荒っぽいアクション映画と同じ。

 これは、先日見た『7級公務員』のようなコメディーじゃないのだから、もう少し賢い人を出して下さい。でなくては、話にのめり込めない。ウソでしょ、っという突っ込みを入れまくるしかない。途中から、バカバカしすぎて、本気では見れなくなる。というか、最初からこれでは見れない。だから、映画にはまるで乗れない。大好きなポン・ジュノがどんなに褒めていても、やはり僕にはこれは無理だ。徒に高すぎるテンションもなんだかなぁ、と思う。

 汚職警官もの、って日本でも多々あるが、もっと冷静でちゃんと汚職をやってる。なんかこの映画の主人公たちの行動はただの感情だけで、こんなのが、現実世界で成立するようにはとてもじゃないが、思えない。形勢逆転なんて、あんなくらいで、逆転するのですか。なんか子供の喧嘩レベルにしか見えない。間に入るヤクザの土建屋も、あんなんでいいのか。細かいことを書くのもおっくうだが、どこをどう取ってもこれではおかしいと僕は思う。

 でも、この映画の評判は到ってよいようなのだ。変な気分だ。僕が見た映画とは別の『生き残るための3つの取引』という映画がどこかにあるのだろうか、なんて思うくらいに褒めていた。読んでいて不思議だ。人それぞれだから、とも思うのだが、こんなむちゃくちゃが成立するなんて、僕にはまずそこからして考えられないのだが。おかしいのはどちらでしょうか。おすぎとか、本気であんなこと言ってるのか? 世の中いろいろで面白い。

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