習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『珍遊記』

2016-03-07 19:47:34 | 映画

 

史上最低のバカ映画を目指したこのくだらない映画は、うんこ、ちんこ、それに、おならを満載して、下品で(というか、ガキ)無意味の極みを露呈する。これでもか、これでもか、とバカバカしくて、どうでもいいようなことにこだわり、あきれさせる。見ていて溜息しかない。それを松山ケンイチが全裸で楽しそうに熱演する。『西遊記』をもじって、『珍遊記』というあほなタイトルからしてもう何も考えてないことは明確である。孫悟空そのままの松山ケンイチ演じる山田太郎。このあり得ない化け物を飼い馴らすお師匠さまを倉科カナが坊主頭で演じる。(かわいい!)真面目な顔してうんこ、ちんこを連発する。そんなふたりを主人公にして、ふざけたキャラクターたちが右往左往して、ドタバタ騒動を繰り広げるのだ。もう100分間、ただただくだらない。

 

だいたい天竺目指すはずなのに、まるで行く気ないし。ドニー・イエンの『モンキー・マジック』はCG満載のド派手映画だったが、これはただただふざけているばかり。こんなバカにつける薬はない。山口雄大監督はいつもこんな調子である。そんな彼に映画を撮らす東映は偉い。でも、思えば前作『ヤンキーエリート三四郎』以来4年振りの登板となる。

東映印のメジャー映画(でも、B級)を大いに楽しんでいる。70年代なら2本立の添えもの映画なのだが、今の時代そうもいかず、堂々の1本立公開である。チープでしょぼい映画なのだが、かまわない。最初からこの映画になんの期待もしていないからだ。作り手側は実に楽しそうだ。そして、見ている僕たちもとてもしあわせな気分だ。100分くらいなら、このくだらなさと付き合っても悪くないと思う。全力でくだらないことをしてる。その情熱が眩しい。

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 本田有明『ファイト! 木津... | トップ | 『湾生回家』 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。