習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

三浦しをん『三四郎はそれから門を出た』

2006-11-24 20:29:20 | その他
 今までこのブログでは故意に本(小説等)を取り上げなかったが、そろそろ解禁にする。わざわざ宣言しなくてもいいのにね。

 同時にDVDで見た映画も特に面白かったものについては、書いてみようと思う。テレビで見る映画は、映画ではないのであまり取り上げたくなかったけれども、書き残しておきたい物はメモとして残しておくほうがいい。劇場で見た映画と芝居だったら、どうしても数に限りがあるし、つまらないもの(書く必要のないもの)は除いてるので、時々書くネタがなくて困るときが出てきたからだ。かといって、悪口なんて書きたくないし、何よりそんなの無意味。昨日書いた『短歌』なんていつもなら、完全に無視する映画なのに、久し振りに見た映画なのでついつい書いてしまった。がっかりである。

 今、三浦しをんの読書ノート『三四郎はそれから門を出た』を読んでいるのだが、3章の「本のできごころ」が面白すぎて、本についても書きたくなったのが原因。

 この本の1,2章の読書案内は、ほんとにつまらなかった。何度も読むのやめようか、と思った。彼女はただ、「こんな本を読んだよ。ぜひ君も読めよ。」と言ってるだけで、そんなの大きなお世話。要するに、読み物として独立性がなく、こういう読書案内は邪魔だな、と思った。本の場合は特に人の好みを押し付けられても困る。だから、僕はここには書かないつもりだった。

 でも、本好きの彼女の本を巡るエッセイである3章に入ると、タッチが義務から、彼女自身の喜びに変わり俄然楽しくなってきた。こういう感じで読書評みたいなものを書けたらいいやん、と思わせる。

 それにしても、この本のタイトルは嬉しい。漱石の前期3部作を繋げただけなのだが、ここには僕の読書体験の原点がある。3作は独立した作品だが、話は続いていて、連続して読むことで漱石が自分のテーマをどんどん展開していく姿を確認出来て嬉しかった。昔、高校生だった僕は、作家はこんなふうにして作品と取り組むのだということをこれから教えられたのだ。

 昔話なんかをいつまでも書いていてもしかたない。今は新刊しか基本的に読まないが、これからは、すこしずつ本のことも書きたい。

 

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2 コメント

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楽しみです (yukom)
2006-11-25 01:27:00
いつも拝見させていただいております。これからは、本のレビューも書かれるとの事、楽しみです。 HIROSEさんのお気持ち、なんとなく分かります。私も良くなかった作品については、書かないことにしています。なんか哀しくなってくるので。
鑑賞する際、画面の大きさが作品に影響する映画は別として、本当にいい映画は、DVDでも面白いはず!と私は思っています。 DVDの作品レビューも期待しています。
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ありがとう (hirose)
2006-11-28 23:12:43
なんかうれしいです。そんなふうに言って貰えたら。本は大好きなんですが書いてたらきりないと自粛してました。頑張ります。
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