滝田洋二郎監督の手で映画化されているということを、知った。というか、知っていたけど、まるで気にも留めずに小説を読んだ。キャスティングも岡田准一と、宮崎あおいが主役を演じるということくらいしか知らなかったから、小説を読んでいく上で、まるで先入観はなかったし、支障もない。詠み終えてから、しばらくして、雑誌で、映画のスチルや細かいキャスティングを知って、納得したり驚いたり、と楽しませてもらった。
いつものことだが、何も知らないまま、どんどん読んでいき、先を想像し、一喜一憂したり、意外な展開に驚いたり。関孝和なんて言う人(有名な数学者)知らなかったし、主人公の安井算哲、というか、渋川春海も知らなかった! 無知蒙昧のそしりを受けても仕方ない。でも、その分、話を純粋に楽しめた。関は、実はえん(宮崎あおいが演じる後の算哲の妻になる女性)ではないか、とか、妄想しながら読んでいたし。
最後まで読んで本当に幸福な気分にさせられた。22年間の歳月を描く。ただひたすらひとつのことに夢中になっていた。暦の改暦のために。小説はさらのその後彼らが死ぬまでの歳月もフォーローする。時系列に沿って、淡々と描かれていく春海の生涯の物語は、ドラマチックだが、とても地味なお話である。でも、そこがこの作品の魅力なのだ。500ページに及ぶ大作だが、静かに淡々としたタッチで語られていくのがいい。そうすることでしか、描けないものがここにはある。滝田監督はそんな原作を2時間ほどの映画としてどんな風にまとめるのだろうか。9月の公開が今から楽しみでならない。
いつものことだが、何も知らないまま、どんどん読んでいき、先を想像し、一喜一憂したり、意外な展開に驚いたり。関孝和なんて言う人(有名な数学者)知らなかったし、主人公の安井算哲、というか、渋川春海も知らなかった! 無知蒙昧のそしりを受けても仕方ない。でも、その分、話を純粋に楽しめた。関は、実はえん(宮崎あおいが演じる後の算哲の妻になる女性)ではないか、とか、妄想しながら読んでいたし。
最後まで読んで本当に幸福な気分にさせられた。22年間の歳月を描く。ただひたすらひとつのことに夢中になっていた。暦の改暦のために。小説はさらのその後彼らが死ぬまでの歳月もフォーローする。時系列に沿って、淡々と描かれていく春海の生涯の物語は、ドラマチックだが、とても地味なお話である。でも、そこがこの作品の魅力なのだ。500ページに及ぶ大作だが、静かに淡々としたタッチで語られていくのがいい。そうすることでしか、描けないものがここにはある。滝田監督はそんな原作を2時間ほどの映画としてどんな風にまとめるのだろうか。9月の公開が今から楽しみでならない。