習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

劇団えろきゅーしょん『ヒーローズ ~隣の席はエイリアン~』

2011-01-22 21:11:28 | 演劇
 こういう幼い芝居をきちんと楽しめるような心の余裕があればいいのだが、今は悪いけど、そんな気分にはなれない。あまり優しいことは書けないかもしれないがご容赦願いたい。

 これは初めて芝居に取り組む高校の演劇部、というノリである。それはそれで微笑ましいのだが、大人にそれをやられると、ちょっと痛い。まるで小学生の学芸会を見ているようで、でも、作り手も役者も思いっきり楽しんでいるのが伝わってくるから、本当ならこういうのもありだ、とは思う。だが、あまりに幼すぎる。

 ある高校に転校生がやってくる。彼はクラスメートと仲良くなる。実は彼は地球人を洗脳し、征服するために送り込まれた宇宙人なのだ! だが、彼は仲間たちとの友情から彼らと離れたくなくなり、なんと地球人の味方になる。みんなで力を合わせて地球制服をたくらむエイリアンと戦う。いくら何でもこれはないでしょ、というようなお話である。これで90分見せる。

 わざとこういうあほらしい話を見せようとしたのではなく、きっと大まじめでやっている。あまり芝居を知らないまま、自分たちが子供の頃やってきたものを、今もう一度やろうとしたのだろう。これを悪いことだとは言わない。最初の一歩としてはここからスタートするのもありだとは思う。ある意味、頭でっかちではなく純粋でいいのかも、とも思う。無邪気に、みんなで芝居を楽しみ、それなりにカタルシスを感じてくれたのなら、大成功だ。

 自分たちのペースで芝居と関わり、少しずつ本当の意味でのエンタテインメントをこれから作り上げていけたなら、それはそれでいい。頑張れ。

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