このタイトルを見たとき、今回の満月動物園は、いつものような「夜の話」ではなく、「昼の話」なのか、と少し驚いたのだが、必ずしもそうではなかった。最初から血しぶきが吹き荒れ、ああ、これっていつもの戒田さんじゃん、と思った。ほっとしたような、同時にせっかく冒険を期待したのに、とがっかりしたり、とけっこう複雑だ。
これはかって孤児院で育った5人の女の子たちの話だ。そのうちのひとりが殺される。葬儀のために久しぶりに集まった仲間たち。通夜にやってきた探偵に導かれるようにして死んでしまった暁(諏訪いつみ)の謎を追う。死ぬ直前に彼女が会っていた女は犯人として警察に拘留されている。一応ミステリ仕立てのようにはなっているけど、芝居自体はミステリではない。彼女たちの秘密は簡単に解けてしまい、クローン人間についての話となる。謎解きの方に焦点をあてて、ドキドキさせてくれたってよかったのに、とも思う。でも戒田さんはそんなことには興味がないようだ。
家族の絆についての話となる。これはひとりの女の細胞から作られた5人の女たちの物語だ。彼女たちは血のつながりよりも濃い絆で結ばれた存在だ。そんな彼女たちを通して何を描こうとしたのか。そこが見えてこないのがもどかしい。もちろん先にも書いたようにこれは家族について、の話である。そこにはブレがない。だが、話自身をもっと深化させ、僕たちを思いもしないような世界へと誘って欲しいのだ。
冒頭の血まみれのシーン(よくやるパターンなのだが)のようなインパクトがラストにも欲しい。あまりにあっけなく、あっさりした終わり方でなんだか物足りない。自分たちの出生の秘密を知った4人が、自分たちの本体である女(諏訪いつみが2役で演じる)と向き合うことで、そこから見えてくるものを明確に提示して欲しかった。クライマックスはこの両者の対決でなくては納得がいかない、と思うのは僕だけか。
これはかって孤児院で育った5人の女の子たちの話だ。そのうちのひとりが殺される。葬儀のために久しぶりに集まった仲間たち。通夜にやってきた探偵に導かれるようにして死んでしまった暁(諏訪いつみ)の謎を追う。死ぬ直前に彼女が会っていた女は犯人として警察に拘留されている。一応ミステリ仕立てのようにはなっているけど、芝居自体はミステリではない。彼女たちの秘密は簡単に解けてしまい、クローン人間についての話となる。謎解きの方に焦点をあてて、ドキドキさせてくれたってよかったのに、とも思う。でも戒田さんはそんなことには興味がないようだ。
家族の絆についての話となる。これはひとりの女の細胞から作られた5人の女たちの物語だ。彼女たちは血のつながりよりも濃い絆で結ばれた存在だ。そんな彼女たちを通して何を描こうとしたのか。そこが見えてこないのがもどかしい。もちろん先にも書いたようにこれは家族について、の話である。そこにはブレがない。だが、話自身をもっと深化させ、僕たちを思いもしないような世界へと誘って欲しいのだ。
冒頭の血まみれのシーン(よくやるパターンなのだが)のようなインパクトがラストにも欲しい。あまりにあっけなく、あっさりした終わり方でなんだか物足りない。自分たちの出生の秘密を知った4人が、自分たちの本体である女(諏訪いつみが2役で演じる)と向き合うことで、そこから見えてくるものを明確に提示して欲しかった。クライマックスはこの両者の対決でなくては納得がいかない、と思うのは僕だけか。