習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『ラブソングが出来るまで』

2007-05-02 07:00:14 | 映画
 デビュー作『トゥーウィーク・ノーティス』でもヒュー・グランドとコンビを組んだマーク・ロレンスの第2作。今回は彼に今までにないおバカなキャラクターを演じさせ、とても楽しいハート・ウォーミングを作り上げた。

 80年代に一斉を風靡したポップスターが、今では落ち目になり過去の栄光に縋りついたドサまわりをして生計を立てている。そんな彼のもとにとびきりキュートなドリュー・バリモアが、例によってやってくる。(彼女は今やキャメロン・ディアスと並んでラブコメの女王だ)もう、見る前からすべてがわかってしまうような映画なのだが、それなのにこんなにもハッピーな気分にさせられる。クスクス笑いながら主人公2人を追いかけているだけで、あっという間に映画は終わる。途中少し中だるみするところもあるけれど、ラストではきっちり盛り上げてくれ、コンサートのシーンではほんのちょっと泣かせてもくれる。

 映画としては、どうってことない作品なのかもしれないが、こういうコメディータッチのラブストーリーはこの「どうってことなさ」こそが大事なのだ。予定調和のストーリーをいかに心地よく観客に届けるかが、ポイントであり、この映画はそのことに成功している。超真面目な英国紳士であるヒューにここまでバカをさせてしまったのに、やっぱり彼がカッコイイというところが素晴らしい。

 オープニングとエンディングで繰り返される主題歌のハジケ振りは必見。あのシーンが見れただけでも、この映画のモトはとれた気になる。あのヒュー・グランドがピチピチズボンで腰振りダンスをするのだ。あほらしくて泣けてくる。

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