一昨年の『ローヤの休日』に続く僕としては2度目のゲキバカの長編作品である。こういう「おバカ」そうな芝居はもともとは苦手なのだが、食わず嫌いせず、見てよかったと思う。なんでもそうなのだが、ちゃんと極めたものは、面白いし、意味がある。中途半端はダメだ、ということだ。彼らは確信犯的にこのバカ街道をまっしぐらに暴走する。前作以上に今回それを感じさせられた。おふざけではない。本気のバカだ。これは簡単そうに見えて実はかなり難しいし、勇気がいる行為ではないか。それを軽々やっているように見せるのがいい。
お正月興行ということを意識してお祭り気分を演出する。だが、もう1月も後半である。いつまでも正月気分なんか引きずっている人はいない。しかも、この日は雨でそれでなくてもテンションは下がる。(僕は1月19日、大阪上演初日の回を見た。)だが、彼らはまるで動じない。(まぁ、当然だが) お正月真っ盛りのハイテンションである。ちゃんと最初に新年の挨拶なんかまである。そんなこんなで上演時間は2時間に達した。しかも、柿ノ本さんだけではなく、役者全員が舞台に出てのアフタートークは大喜利のノリで、ゲストである楠見薫さんと稲田真理さんより、自分たちではしゃいでしまい、しっちゃかめっちゃかで何がなんだか、だった。こういうバラエティーショーのようなアフタートークなんて見たことがない。いかにも、彼ららしくていい。
さて、本題である芝居の方だが、こちらも即興劇に毛が生えたような長編コントの体を為す。だが、これも計算の上であることは明白だ。ちゃんと考えてバカをするのが、この集団の良さである。廃校になるバカ高校の3年生たちが主人公だ。彼らの最後の高校生活が描かれる。1年間の話である。新学期からスタートして、卒業までが、順を追って描かれる。6人しかいないクラスメート。彼らが変わることのない日々を過ごしながら、カウントダウンしていく。そこに大事な思い出を作っていく。ただのバカ騒ぎでしかない。ほとんど冗談のような展開もある。それはただの品のないおふざけでしかない。どこにでもある高校生活のスケッチという体裁を取りながら、バラエティーショーのようなエピソードはハイテンションで綴られていく。
これはかなり微妙なラインだ。本当は最後でもっとシリアスなタッチになれば、わかりやすくなる。だが、そうすると、これは「ただの芝居」になる。だから、微妙な点で、敢えてシリアスにはしないで終わらせるという選択肢を取る。上手い。そうでなくてはゲキバカではないからだ。冗談のような高校生活が終わり、大人になる。成長した彼らがあの頃を思い出すと、なんだかバカだったけど、輝いていたと思う。これは一種の定番である。だが、この芝居はここまでいいかげんで、その場限りのアドリブを連発させながら、そんなことも含めて、愛おしい「あの頃」をきちんと描いてみせる。なかなか手強い芝居である。
お正月興行ということを意識してお祭り気分を演出する。だが、もう1月も後半である。いつまでも正月気分なんか引きずっている人はいない。しかも、この日は雨でそれでなくてもテンションは下がる。(僕は1月19日、大阪上演初日の回を見た。)だが、彼らはまるで動じない。(まぁ、当然だが) お正月真っ盛りのハイテンションである。ちゃんと最初に新年の挨拶なんかまである。そんなこんなで上演時間は2時間に達した。しかも、柿ノ本さんだけではなく、役者全員が舞台に出てのアフタートークは大喜利のノリで、ゲストである楠見薫さんと稲田真理さんより、自分たちではしゃいでしまい、しっちゃかめっちゃかで何がなんだか、だった。こういうバラエティーショーのようなアフタートークなんて見たことがない。いかにも、彼ららしくていい。
さて、本題である芝居の方だが、こちらも即興劇に毛が生えたような長編コントの体を為す。だが、これも計算の上であることは明白だ。ちゃんと考えてバカをするのが、この集団の良さである。廃校になるバカ高校の3年生たちが主人公だ。彼らの最後の高校生活が描かれる。1年間の話である。新学期からスタートして、卒業までが、順を追って描かれる。6人しかいないクラスメート。彼らが変わることのない日々を過ごしながら、カウントダウンしていく。そこに大事な思い出を作っていく。ただのバカ騒ぎでしかない。ほとんど冗談のような展開もある。それはただの品のないおふざけでしかない。どこにでもある高校生活のスケッチという体裁を取りながら、バラエティーショーのようなエピソードはハイテンションで綴られていく。
これはかなり微妙なラインだ。本当は最後でもっとシリアスなタッチになれば、わかりやすくなる。だが、そうすると、これは「ただの芝居」になる。だから、微妙な点で、敢えてシリアスにはしないで終わらせるという選択肢を取る。上手い。そうでなくてはゲキバカではないからだ。冗談のような高校生活が終わり、大人になる。成長した彼らがあの頃を思い出すと、なんだかバカだったけど、輝いていたと思う。これは一種の定番である。だが、この芝居はここまでいいかげんで、その場限りのアドリブを連発させながら、そんなことも含めて、愛おしい「あの頃」をきちんと描いてみせる。なかなか手強い芝居である。