習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『7級公務員』

2012-01-22 21:07:31 | 映画
 映画のタイトルとしていくらなんでもこれはないでしょ、と思う。まるでセールスとか考えていないような邦題である。韓国ではこれでも通用するのだろうが、日本では無理でしょ。もう少し、それらしいタイトルを付けるべきではないか。まぁ、それはともかくとして、この手の映画には、時として拾い物がある。そんな甘い期待を抱いてあまりに間抜けなタイトルのも心惹かれてレンタルしてきた。それに何よりキム・ハヌル主演のコメディー・アクション映画である。だから、ちょっと期待して見る。

 こういうぬるい映画の中に時たま思いがけない佳作が紛れ込んでいるときもある、とついさっき書いたのだが、ごめんなさい。ダメでした。これは、見事に失敗だった。これはただの駄作だ。見ていて「とほほ」である。最初からバカだったが、最後までただのバカで、救いようがない。

 どこかに「思いがけない拾いもの」とか、書いてあった気がしたのだが、目の錯覚だったようだ。どこをどうたたいても褒めるところなんか一切出てこない惨い映画だった。途中から洗濯物をたたんで、更には新しい洗濯物も干して、いろんなことが出来て良かったけど。まぁ 何を期待したのやら、自分でもよくわからん。

 主人公の2人はもと恋人で、それが今ではそれぞれスパイみたいなもんで、同じターゲットを追っているのだが、どちらも相手の仕事のことを知らない。それなりにかっこいいキム・ハヌルと、まるで、ダメダメ男のカン・ジファン。ドジの連続でバカバカしいにもほどがある。残念ながら僕はこのおバカには乗れなかった。韓国ではスマッシュ・ヒットしたらしい。2009年興行収入第3位とは恐れ入る。

 冒頭のウエディングドレスで犯人を追いかけるキム・ハヌルはとてもかっこよかった。でも、別にそんな扮装をする必要はない。それは以降のシーンでも同じだ。彼女のコスプレを楽しむという意味では、それもありなのかもしれないが。アイドルというには、ちょっと年を召された彼女だが、幾つになっても綺麗だ。『リメンバ・ミー』の頃からのファンとしては、綺麗な彼女の姿を見ているだけでも楽しいのだが、ここまでバカでは、ちょっと退屈。作り手は観客を楽しませるためにあの手この手で頑張っているのかもしれないし、ポップコーン片手にげらげら笑って見るのが筋というものなのだろうが、もう少しスマートにして欲しかった。ラブ・コメなら、それなりの心の葛藤とかも、描いてもらいたい。ひたすらバカ、では疲れる。

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