
上下2巻からなる長編だ。実は前半を読んだところで、あまり面白くない、だなんて書いてしまった。それが気がかりで、ちょっと書いてみる。後半に入ってから、徐々に面白くなる。4人の幼なじみの話が、どんどん広がる。
これは人が死ぬということ、を描いた小説だ。一番大切な友人が死んでいくということ。それをこの小説はこれ以上ないくらいに真摯にきちんと描いていく。お涙頂戴になんかならない。この目を逸らしてはならない事実を真正面から見つめていく。その姿勢に心打たれた。やっぱり重松清は凄いわ。
甘いし、長編は彼には荷が重いのか、なんて上を読んだ時点で書いてしまったが、深く反省している。若くしてガンで死んでいくシュンを見つめるかっての幼なじみたち、そして彼の妻子、ずっと離れていた家族。彼らひとりひとりの姿が実によく描かれてある。周囲の人たちとの関わりが、さらにはある事件を通して普遍的な問題にみごとスライドさせていく、その展開のさせ方、上手すぎる。
昭和42年の炭鉱での落盤事故によって7人を生き埋めにした彼の祖父、倉田千太郎の選択を巡って、彼が、反発し、その事故で父を亡くした親友のトシとの間に亀裂が入る。彼らが生まれる前の出来事が彼らを苦しめていく。40代を迎える前に再会し、そして、お互いにお互いを許す。人が人を許すって何なんだろうか、そんな大きなテーマがこの長編の底には流れている。
これは人が死ぬということ、を描いた小説だ。一番大切な友人が死んでいくということ。それをこの小説はこれ以上ないくらいに真摯にきちんと描いていく。お涙頂戴になんかならない。この目を逸らしてはならない事実を真正面から見つめていく。その姿勢に心打たれた。やっぱり重松清は凄いわ。
甘いし、長編は彼には荷が重いのか、なんて上を読んだ時点で書いてしまったが、深く反省している。若くしてガンで死んでいくシュンを見つめるかっての幼なじみたち、そして彼の妻子、ずっと離れていた家族。彼らひとりひとりの姿が実によく描かれてある。周囲の人たちとの関わりが、さらにはある事件を通して普遍的な問題にみごとスライドさせていく、その展開のさせ方、上手すぎる。
昭和42年の炭鉱での落盤事故によって7人を生き埋めにした彼の祖父、倉田千太郎の選択を巡って、彼が、反発し、その事故で父を亡くした親友のトシとの間に亀裂が入る。彼らが生まれる前の出来事が彼らを苦しめていく。40代を迎える前に再会し、そして、お互いにお互いを許す。人が人を許すって何なんだろうか、そんな大きなテーマがこの長編の底には流れている。