
タイトル通りとてもライトな芝居で、1時間50分があっという間の出来事だった。舞台美術は最小限に抑えて、それより舞台上で役者たちに絵を描かせ、それを小道具として使うなんていう、とても面白い試みをしている。そんな遊び心が、とてもいい方向に機能している。ガバメンツの芝居を見るのは、これが初めてなのだが、この軽いテイストは好き。無理なく話を流していくのもいい。コメディーなんだが、無理に笑わせない。それより、日常のどうでもいいようなことや、そんな会話を積み重ねて、その先で、くすっと笑わせるくらい。センスがいいのだ。
ライト兄弟が有人飛行を成功させる直前。2人の兄弟ケンカが描かれる。どちらが先に飛行機に乗るかを争うのだ。そんなささいなことに意地を張り合いケンカして、それが、これまでのさまざまな出来事を思い出させるきっかけとなる。時間はどんどん遡る。やがては、彼ら家族の原点にまでたどり着く。この物語のこういう構成は実に心憎い。
大事の前の、彼ら2人のつまらない諍い。そこからライト兄弟ではなく、ライト家族の歴史を綴る。両親、2人の兄たち、その妻たち、友人、もちろん下の妹。日々のささやかなエピソードのスケッチの中で、描かれていく2人のドラマは、どこにでもある家族の物語に収斂されていく。これは偉人伝なんかではない。ただのささやかな日々だ。だがそれだからそこにいとおしさがこみ上げてくる。心に沁みいる佳作だ。
余談だが、オパンポン創造社の野村侑志が、この芝居の主人公であるライト兄弟の三男ウイルバーを演じる。とても普通の芝居をしている彼を見るのは、なんだか不思議な気分だった。
ライト兄弟が有人飛行を成功させる直前。2人の兄弟ケンカが描かれる。どちらが先に飛行機に乗るかを争うのだ。そんなささいなことに意地を張り合いケンカして、それが、これまでのさまざまな出来事を思い出させるきっかけとなる。時間はどんどん遡る。やがては、彼ら家族の原点にまでたどり着く。この物語のこういう構成は実に心憎い。
大事の前の、彼ら2人のつまらない諍い。そこからライト兄弟ではなく、ライト家族の歴史を綴る。両親、2人の兄たち、その妻たち、友人、もちろん下の妹。日々のささやかなエピソードのスケッチの中で、描かれていく2人のドラマは、どこにでもある家族の物語に収斂されていく。これは偉人伝なんかではない。ただのささやかな日々だ。だがそれだからそこにいとおしさがこみ上げてくる。心に沁みいる佳作だ。
余談だが、オパンポン創造社の野村侑志が、この芝居の主人公であるライト兄弟の三男ウイルバーを演じる。とても普通の芝居をしている彼を見るのは、なんだか不思議な気分だった。