まさか今頃こんな映画が作られるなんて、もうなんでもありなのだな、と思う。もちろん主人公のふたりは70代の老人、舘ひろし&柴田恭兵。だけど高齢者になっても彼らは今でもかっこいい「探偵だけど、刑事(デカ)」を華麗に演じる。だが監督は村川透ではない。もちろん亡くなった長谷部安春でもない。これは若い原廣利が手掛ける新時代のアブデカである(はず,だったが)
彼らは何度でも帰ってくる。8年振りの復活らしい。そして今回もいろんなことがどうでもいいような緩さの映画。今の時代においてはあり得ないタイプの映画だ。昔ながらの映画でツッコミどころ満載なのに、それなりには支持されているみたいだ。要するにオールドファンはみんなこんなユルい映画が好きなのだ。
ふたりはことさら若ぶるわけではなく、そのくせ老人力を発揮するわけでもない自然体。いくつになろうとも変わらない。(ただ浅野温子は変わりすぎ)ダンディ鷹山、セクシー大下を無理なく体現する。
だが、いくらなんでもここまでいいかげんな話では僕は付き合いきれない。後半は見ていられない。従来のTVシリーズや映画シリーズと同じパターンを踏襲する。こんな化石のような映画は21世紀の今、他にはない。それはそれで立派なのかもしれませんが。