
ハリーポッター史上唯一のダークな作品『アズガバンの囚人』を撮ったアルフォンソ・キュアロンによる新作である。(今回の『不死鳥の騎士団』も暗い話だっが、それは先に書いたダークとは別の意味なので、また別項で書く)
2027年、出生率0%となった人類は、種の絶滅の危機に瀕していた。生存継続への希望を失って自滅していくことになる。未来というものがなくなってしまった人類はただ、滅びていくことを緩やかに受け入れていくしかないのだ。世界中の様々な大都市がパニックに陥り消えていく中、今もまだなんとか治安を維持しているロンドンを舞台にして、テロリストとの相克を描き、そんな中から、新しい命の誕生を巡る逃亡劇が描かれていく。
前半のロンドン市内の描写が素晴らしい。精神的な拠りどころを喪った人間のどんよりとした日々がよく描かれてあり、いったいこのドラマが、どこに向かっていこうとするのかさえ、よくわからないところがいい。殺伐とした世界が見事にビジュアル化されており、ドキドキさせられる。
しかし、後半明確なストーリーが刻まれ出したところから、全く話が広がらなくなる。そして、あげくは単純な逃亡劇になってしまい、がっかりである。彼らがトゥモロー号という名の船に辿り着くことで一体何が見えてくるのか。それが全く描けてないから、これではこの映画自身の意味すらない、思う。もう少し未来に対するビジョンも含めてこの映画の先がどこに向かうのか、その指示が欲しい。あまりにあっけないラストに唖然とさせられた。
2027年、出生率0%となった人類は、種の絶滅の危機に瀕していた。生存継続への希望を失って自滅していくことになる。未来というものがなくなってしまった人類はただ、滅びていくことを緩やかに受け入れていくしかないのだ。世界中の様々な大都市がパニックに陥り消えていく中、今もまだなんとか治安を維持しているロンドンを舞台にして、テロリストとの相克を描き、そんな中から、新しい命の誕生を巡る逃亡劇が描かれていく。
前半のロンドン市内の描写が素晴らしい。精神的な拠りどころを喪った人間のどんよりとした日々がよく描かれてあり、いったいこのドラマが、どこに向かっていこうとするのかさえ、よくわからないところがいい。殺伐とした世界が見事にビジュアル化されており、ドキドキさせられる。
しかし、後半明確なストーリーが刻まれ出したところから、全く話が広がらなくなる。そして、あげくは単純な逃亡劇になってしまい、がっかりである。彼らがトゥモロー号という名の船に辿り着くことで一体何が見えてくるのか。それが全く描けてないから、これではこの映画自身の意味すらない、思う。もう少し未来に対するビジョンも含めてこの映画の先がどこに向かうのか、その指示が欲しい。あまりにあっけないラストに唖然とさせられた。