とてもコンパクトによく纏めてある。20年前の作品だし、野田秀樹はテンポが命だから、チンタラチンタラやられたなら、見るも無残なものになりかねないのだが、この集団は、無理することなく、この作品世界を自分たちのテリトリーで手堅く仕上げた、って感じだ。
正直言って高校演劇のがんばっているクラブが、HPFで上演したレベルの作品(ここで僕は金蘭会による『半神』とは比較していない。ああいうのは別格なのだ。高校演劇レベルとは言わない。)なのだが、それでもそれくらいにはしっかりした作品になっているということだ。
オリジナルではないから台本はきちんとしている。だから抑えるところさえ、抑えたなら感動的な芝居にはなる。ラストシ-ンで失われた右にいたはずのマリアのことを思うシュラの呆然とした表情がいい。あのラストを提示できただけでもこれは成功している。1時間40分という上演時間もいい。無理なく無駄なくまとめることが出来たことの証明だろう。
「昭和の香りがする芝居」だなんて当日パンフに演出の野原真由美さんが書いていたがそういう感想って面白い。若い人たちにとって、この台本は今を書いたものではなく、ある種のノスタルジーすら抱かせるものなのならば、それはどういう点に顕著なのだろうか。なんだか気になる。
正直言って高校演劇のがんばっているクラブが、HPFで上演したレベルの作品(ここで僕は金蘭会による『半神』とは比較していない。ああいうのは別格なのだ。高校演劇レベルとは言わない。)なのだが、それでもそれくらいにはしっかりした作品になっているということだ。
オリジナルではないから台本はきちんとしている。だから抑えるところさえ、抑えたなら感動的な芝居にはなる。ラストシ-ンで失われた右にいたはずのマリアのことを思うシュラの呆然とした表情がいい。あのラストを提示できただけでもこれは成功している。1時間40分という上演時間もいい。無理なく無駄なくまとめることが出来たことの証明だろう。
「昭和の香りがする芝居」だなんて当日パンフに演出の野原真由美さんが書いていたがそういう感想って面白い。若い人たちにとって、この台本は今を書いたものではなく、ある種のノスタルジーすら抱かせるものなのならば、それはどういう点に顕著なのだろうか。なんだか気になる。