正直言って今回はいつも以上にぶっ飛んでました。あまりにオーソドックスなものから常識を超えたようなものまでバラエティーに富んだラインナップを見せてくれるのだが、これには呆れてしまう。これってダンスなのか?なんて感心するくらいに。
まぁ、いつもボーダレスだし、既成の範疇には収まりきらないものを自由に提示してくれることがこの企画の命なのだが、それにしても今回の5団体は、その構成も、少しずつ壊れていく様が見えるように順番が決められていて、そんなことも含めて実に面白かった。
26日のソワレは、最初は中山陽子さんの『in地図のない島』から。とてもなめらかな体のしなやかさ。その動きに見とれる。少年の冒険譚のようなストーリーラインすら感じさせる。「夢の島(ゴミ捨て場のそれだ)を旅する」というコンセプトが隠し味になっていて、とても爽やかで素敵なパフォーマンスだった。
続く佐藤健太郎さんのワイルドなダンス『犬』は、それでもある種の枠の中にきちんと納まっているように見えた。上半身裸の彼の体の鍛えられた筋肉の動きも含めて彼の姿自身がひとつのスペクタクルを提示する。
CRUSTACEA『ジ・・・』はチャーミングだった。2人が穏やかで、ひとりひとりが別々のことをしているのに微妙にシンクロしていくところがいい。
そして、今回の特別ゲスト。ブラジルからやって来たレティシア・セキトさん。3つのパーツからなるその静かなパフォーマンスはとてもダンスとは言えない。手によって覆い隠された顔。広げられて花のようになったドレスを頭から被り見せる指先だけのダンス。ほぼ暗闇の中、裸で転げまわる。地面にばら撒かれた青い小片が体に纏いつく。そのザラザラという音ばかりが前面に出る。作品のタイトルは『A Little bit of the body』。
その後この散らばった小片の回収に思いのほか時間がかかり10分くらいは掃除していたのではないか。司会の上念省三さんなんて喋りながら掃除していて、焦るから何を喋っているのかよく分らなくなりながらそれでも喋っていた。あれも一種のパファーマンスだった。
そして、柿尾優さんとその仲間たちによる『人間は、手を上げ、ふりおろし、そして、ゆれる』。なんでもありである。これを見たから、もう何を見ても怖くない。というか、やったもの勝ちって感じすらする。あんなのほんとにありなんだろうか。舞台はしっちゃかめっちゃかで、散らかり放題である。音響機材をそのへんにばら撒いて音を拾い、作る男。電動ノコで板を切りまくる男。彼は丸テーブルをつくってしまう。ビデオとプロジェクターを持ち歩き、撮影した映像を壁に映写していく男。そんな3人のとっ散らかった現場で1人。彼らと絡み合いながら、パフォーマンスを見せる柿尾優さん。4人のコラボレーションはパーフォーマンスというよりもやけくそでやりたい放題。
5団体2時間10分の長丁場はさすがに疲れたけど、上念さんの面白いものを見せてやろう、という意気込みがしっかり伝わるプログラムだった。
まぁ、いつもボーダレスだし、既成の範疇には収まりきらないものを自由に提示してくれることがこの企画の命なのだが、それにしても今回の5団体は、その構成も、少しずつ壊れていく様が見えるように順番が決められていて、そんなことも含めて実に面白かった。
26日のソワレは、最初は中山陽子さんの『in地図のない島』から。とてもなめらかな体のしなやかさ。その動きに見とれる。少年の冒険譚のようなストーリーラインすら感じさせる。「夢の島(ゴミ捨て場のそれだ)を旅する」というコンセプトが隠し味になっていて、とても爽やかで素敵なパフォーマンスだった。
続く佐藤健太郎さんのワイルドなダンス『犬』は、それでもある種の枠の中にきちんと納まっているように見えた。上半身裸の彼の体の鍛えられた筋肉の動きも含めて彼の姿自身がひとつのスペクタクルを提示する。
CRUSTACEA『ジ・・・』はチャーミングだった。2人が穏やかで、ひとりひとりが別々のことをしているのに微妙にシンクロしていくところがいい。
そして、今回の特別ゲスト。ブラジルからやって来たレティシア・セキトさん。3つのパーツからなるその静かなパフォーマンスはとてもダンスとは言えない。手によって覆い隠された顔。広げられて花のようになったドレスを頭から被り見せる指先だけのダンス。ほぼ暗闇の中、裸で転げまわる。地面にばら撒かれた青い小片が体に纏いつく。そのザラザラという音ばかりが前面に出る。作品のタイトルは『A Little bit of the body』。
その後この散らばった小片の回収に思いのほか時間がかかり10分くらいは掃除していたのではないか。司会の上念省三さんなんて喋りながら掃除していて、焦るから何を喋っているのかよく分らなくなりながらそれでも喋っていた。あれも一種のパファーマンスだった。
そして、柿尾優さんとその仲間たちによる『人間は、手を上げ、ふりおろし、そして、ゆれる』。なんでもありである。これを見たから、もう何を見ても怖くない。というか、やったもの勝ちって感じすらする。あんなのほんとにありなんだろうか。舞台はしっちゃかめっちゃかで、散らかり放題である。音響機材をそのへんにばら撒いて音を拾い、作る男。電動ノコで板を切りまくる男。彼は丸テーブルをつくってしまう。ビデオとプロジェクターを持ち歩き、撮影した映像を壁に映写していく男。そんな3人のとっ散らかった現場で1人。彼らと絡み合いながら、パフォーマンスを見せる柿尾優さん。4人のコラボレーションはパーフォーマンスというよりもやけくそでやりたい放題。
5団体2時間10分の長丁場はさすがに疲れたけど、上念さんの面白いものを見せてやろう、という意気込みがしっかり伝わるプログラムだった。