
最近こういうパターンが多すぎではないか。TVアニメの再編集による劇場版。観客のニーズに応えたのだろうけど、映画館は商売になるのならなんでもやる。そういう無節操さは、映画産業が生き残るために必要だけど、なんだかなぁ、と思う。じゃぁ、見なければいいのだが、ついつい見てしまう。
こういうスポーツものは、第1章にあたる部分こそが一番面白い。これもそうだろう。高校に入ってさっそくバレー部に入部した2人の少年。中学時代のライバル同士が同じチームの一員となり、高校バレーに挑戦する。中学の頃はそこそこ実力があったし、当然自分の力に自信もある。しかし、高校はレベルが違う。ここは特別バレーの名門高校というわけでもないけど、それでも、中学とは違う。
こういうどこにでもあるさりげない設定がいい。そこでの4月から6月までのお話だ。ラストがこのチームでの初めての練習試合、というのもいい。東京からわざわざ宮城まで結構強いチームが来てくれる、というのもいい。もちろん、自分たちもそこそこ強い。力は拮抗する。何度となく試合を繰り返す1日。お互いの健闘をたたえあい、次は負けないぞ、とか言って別れていくまで。これでよい。
次回はインターハイ予選の戦いが描かれるみたいだけど、こちらはきっと見せ方が難しい。パターンにならないことを期待する。
先に見た同じパターンの『弱虫ペダル』は、インターハイの2,3日目(特に、ラストの3日目)のみに焦点を絞りきって描いてあり、あれはあれで潔いと思ったけど、あのパターンは1回しか使えないから、次の8月公開の『弱虫ペダル 劇場版』の方は、かななり難しいはず。今月は久々にアニメ映画を何本も見たのだけど、これら人気アニメがあまりにお決まりのパターンから一歩も出ていないことに驚く。まぁ、こんなものなのだろうか?
一番期待した『攻殻機動隊 新劇場版』も、第1作の衝撃を超えることはないし、各話60分の4部作『ARISE』にも及ばない。セルフリメイクにしかならないからだ。誰も見たことがないような世界を描くことは難しい。しかも、たくさんの人たちの心を摑んだ上で、という条件付きで。