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映画・演劇のレビュー

『レイン・フォール 雨の牙』

2009-04-30 21:11:36 | 映画
 なんとアメリカ映画に椎名桔平と長谷川京子が主演!だなんて、と思って最初はけっこうドキドキしたのだが、よく調べて見るとこれは『ブラック・レイン』のようなハリウッド映画ではなく純粋日本映画らしい。なんだ、と少しがっかりする。

 まぁ、おもしろければ、国籍なんかどうでもいいが、ハリウッド映画ではなく、和製洋画というのは、なんだかしょぼい。監督は『トウキョウソナタ』の脚本を書いたオーストラリア人のマックス・マニックス。この手のアクション映画は掃いて棄てるほどある。この企画でなぜ映画を作ろうと思ったのか、しかも今更なぜこんなに地味なキャスティングで作るのだろうか。疑問だ。

 ソニーピクチャーの日本支社が作るこの映画の狙いは何なのか、それがよくわからない。100%こけるとしか思えない映画を製作し、誰にアピールするつもりなのか。まさかアメリカで公開するつもりはないだろうから、国内マーケットでペイするつもりなのか。そんなこと不可能だ。今日だって、まだ公開して1週間目なのに劇場はがらがらだった。当然のことだろう。

 あのゲイリー・オールドマンが出演している。そこには期待したが、椎名桔平と彼とはほとんど絡まない。それもがっかりだ。2人の絡みなんて一瞬だし、あれでは納得いかない。

 東京の街をどんなふうに切り取るのか、それが一番楽しみだった。この映画は東京という巨大な都市を主人公にした映画ではないか、とそっちのほうを期待した。CIAの包囲網から彼ら2人(椎名と長谷川ね)がいかに逃げるのかが見せ所のはずだったが、緊張感がまるでない。これではアクションともいえないし、逃亡劇としても中途半端で、一体何がしたいのやら、わけがわからない映画だ。どうしてこんなことになったのだろうか。精彩を欠くゲイリー・オールドマンにもがっかりしたが、映画自体に方向性がなく、ムードだけで1時間50分は長すぎる。

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