こういう新鮮な出会いが何よりもうれしい。初めての劇団と接して思いがけない刺激を受けた時、あぁ、芝居見ててよかったなぁ、と素直に思えれる。手垢のついたスタイルではなく、かといって特別斬新なものでもない。ある意味ではオーソドックスな語り口を見せるこの芝居のとてつもない優しさに触れた時、芝居という表現の可能性を信じたくなる。
もちろんまだまだ荒削りだし、表現としての拙さは否定しない。しかし、最初から完璧なものなんてないし、そんなものは信じたくない。一番大切なものは何をどう見せようとしたのか、という作家としての意志である。それがどこまで行き着いたのかどうかはまた別のお話なのだ。そういう部分ばかりあげつらって良いとか悪いとか言っても詮無いことだと思う。
戦争が終わったあとの世界。隣国の兵士とカメラマンがボランティアのために国境を越えてくる。しかし、国は荒れていて彼らの善意は空回りしていくことになる。導入部分、彼らがゲリラ兵士と戦い逃げるエピソードはあまり上手く描けていない。銃を振り回しのドンパチを見せられたとき、つまらないな、と思った。しかし、彼らがとあるコミューンにやってきて戦争で傷ついた人たちと出会い、彼らが作る擬似家族の一員となっていくというお話の本編に入ったところから俄然おもしろくなる。
作、演出の勝山修平さんの視点にぶれがない。アコーディオンを弾く2人の女たち、人の顔を覚えられない女、子供の心のまま止まってしまった男、そして、戦争をなくすための何かを研究している博士。彼らこの国の内側にいた人間と、外からやってきた2人が、触れ合うことで生じる物語。見えないものを見つけようとした人たち。半年前に生じたある事件(それによってこの戦争は終結した)を中心にして正義とは何かを描いていく。
7人の役者たちはみんな一生懸命で、この芝居をひとりひとりがしっかり支えているのもいい。
これはとても丁寧に作られた芝居である。自分の提示しようとする世界をきちんと形作っている。その中で、主人公の動いていく気持ちがしっかり伝わってくる。こんな基本すら出来てない芝居が近頃は多い。特別なことはいらない。そんなことよりもきちんと見せたいものを伝えることが大事だ。これはそれができている。そこを僕は高く評価する。
もちろんまだまだ荒削りだし、表現としての拙さは否定しない。しかし、最初から完璧なものなんてないし、そんなものは信じたくない。一番大切なものは何をどう見せようとしたのか、という作家としての意志である。それがどこまで行き着いたのかどうかはまた別のお話なのだ。そういう部分ばかりあげつらって良いとか悪いとか言っても詮無いことだと思う。
戦争が終わったあとの世界。隣国の兵士とカメラマンがボランティアのために国境を越えてくる。しかし、国は荒れていて彼らの善意は空回りしていくことになる。導入部分、彼らがゲリラ兵士と戦い逃げるエピソードはあまり上手く描けていない。銃を振り回しのドンパチを見せられたとき、つまらないな、と思った。しかし、彼らがとあるコミューンにやってきて戦争で傷ついた人たちと出会い、彼らが作る擬似家族の一員となっていくというお話の本編に入ったところから俄然おもしろくなる。
作、演出の勝山修平さんの視点にぶれがない。アコーディオンを弾く2人の女たち、人の顔を覚えられない女、子供の心のまま止まってしまった男、そして、戦争をなくすための何かを研究している博士。彼らこの国の内側にいた人間と、外からやってきた2人が、触れ合うことで生じる物語。見えないものを見つけようとした人たち。半年前に生じたある事件(それによってこの戦争は終結した)を中心にして正義とは何かを描いていく。
7人の役者たちはみんな一生懸命で、この芝居をひとりひとりがしっかり支えているのもいい。
これはとても丁寧に作られた芝居である。自分の提示しようとする世界をきちんと形作っている。その中で、主人公の動いていく気持ちがしっかり伝わってくる。こんな基本すら出来てない芝居が近頃は多い。特別なことはいらない。そんなことよりもきちんと見せたいものを伝えることが大事だ。これはそれができている。そこを僕は高く評価する。