あまりに甘く幼い、そして、ほろ苦い少年時代の回顧録である。May『チャンソ』と比較したならそのやわさには、ちょっとどうよ、とも思うが、でも、センチメンタルで、内省的で、ひとりよがりの小さな世界を大の大人が、何の衒いもなく、それどころか思いっきり開き直って、この傷つきやすく、懐かしい子供の世界を子供モード全開で見せていこうとするのは、潔い。
舞台は昭和40年代、小学校4年の夏休み。ひとりぼっちの少年。両親の離婚を知り、心乱れる。夕暮れから夜に至る時間。幻の転校生の少女との出会いや、夜の小学校に忍び込もうとする冒険が描かれていく。
40代のオヤジが、平気で子供を演じて見せるのは凄い。恥ずかしがったら成立しないから、彼らになりきっていく。見ていてありえないやろ、と最初は思った。しかし、彼らが本気で子供になりきろうとしているのを見ているうちにそれを受け入れなくてはこの芝居を見失う、そんな気分にさせられるくらいに彼らは一生懸命で真面目だ。
だから、徐々にその世界を受け止めていけるようになる。子供心を、子供目線で見つめていく。昇竜之介さんの優しい世界の中で、一瞬まどろむことになる。
小学生だった頃、世界はとても広くて、そんな世界に中で僕たちは必死になって闘っていた。大人の有無を言わせぬ不条理な理屈に、子供ながら抵抗する。そんな姿が描かれていく。
遊劇体の村尾オサムさんがとても真面目に、主人公の鈴木計太クンを演じる。彼の誠実さがなくてはこの芝居は成立しなかった。そして、敵役のボケ雄を飯島和敏さんが中1になりきりで演じる。小学生にとって中1ってあんなふうに大きくておっさんに見えるのかも、なんて思わせるような怪演だった。
舞台は昭和40年代、小学校4年の夏休み。ひとりぼっちの少年。両親の離婚を知り、心乱れる。夕暮れから夜に至る時間。幻の転校生の少女との出会いや、夜の小学校に忍び込もうとする冒険が描かれていく。
40代のオヤジが、平気で子供を演じて見せるのは凄い。恥ずかしがったら成立しないから、彼らになりきっていく。見ていてありえないやろ、と最初は思った。しかし、彼らが本気で子供になりきろうとしているのを見ているうちにそれを受け入れなくてはこの芝居を見失う、そんな気分にさせられるくらいに彼らは一生懸命で真面目だ。
だから、徐々にその世界を受け止めていけるようになる。子供心を、子供目線で見つめていく。昇竜之介さんの優しい世界の中で、一瞬まどろむことになる。
小学生だった頃、世界はとても広くて、そんな世界に中で僕たちは必死になって闘っていた。大人の有無を言わせぬ不条理な理屈に、子供ながら抵抗する。そんな姿が描かれていく。
遊劇体の村尾オサムさんがとても真面目に、主人公の鈴木計太クンを演じる。彼の誠実さがなくてはこの芝居は成立しなかった。そして、敵役のボケ雄を飯島和敏さんが中1になりきりで演じる。小学生にとって中1ってあんなふうに大きくておっさんに見えるのかも、なんて思わせるような怪演だった。