プロ野球 OB投手資料ブログ

昔の投手の情報を書きたいと思ってます

西村宏

2015-03-17 07:07:26 | 日記
1961年

同投手は崇徳高のワンマンとしてこの三年間活躍、今夏の甲子園大会広島予選では長身から速球をビシビシ投げ込み、県下ファンの注目を一身に浴びていた。さらに同予選決勝では名門広陵を破って初の檜舞台に進出、一躍クローズ・アップされた。球歴わずか八年の同校野球部が甲子園初出場、その上武生高、新発田農を破ってベスト8に残ったのだから、同投手の力量は相当高く評価されていた。広島カープでは地方予選のころから彼をマークし、球団首脳部は再三会合を開いては同選手獲得の下準備をしていたが、西村投手は夏の大会前までは「とうていプロで投げる自信がないから、ノンプロへでもいきたい」と家族にもらしていたそうだが、今夏大会で自信をつけ「プロで投げてみたい」の心境にいたったようだ。(同校久保監督の話)同投手はさらにさきごろの国体で秋田商今川投手と延々十八回を投げ抜き(奪三振21)零点に押え、引き分け再試合となったが、その実力はいよいよ高く評価されるところとなった。広島カープは国体終了と同時に同選手の勧誘に本腰を入れ始めた。西村投手の父親は昭和二十年に戦死、長兄勲氏(30)が父親代りをつとめて今日まできている。同選手の去就はこの勲氏がカギを握っている。(山口県岩国市津町在住) 西村投手は右投右打、1㍍74、67㌔。

西村投手の話 プロに行くということだけはたしかですが、ぼくのことはすべて久保監督、兄に一任しているので、なんとも申し上げられません。

崇徳高校久保監督の話 私は西村君ならプロで立派に通用すると信じている。私個人の立場上、正式決定まではなんともいえないが、地元カープに入ってくれればと希望している。

実兄勲氏の話 宏は五人兄姉(四男一女)の末っ子です。性格的にみてうまく野球がやれるのかと思っていたが、ぐんぐん成長したようで、私たちが驚いているほどです。甲子園で自信がついたのか、最近はプロへ行って投げたいとも話しています。この間から二三回親族会議を開き、宏の問題で話し合いましたが、進学を強調する人もありましたが、宏は野球も好きなことだし、同じやるならプロへと、私も賛成です。まあ二、三日中には正式に決めたいと思います。
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吉田定敬

2015-03-17 06:39:31 | 日記
1961年

東映フライヤーズは23日午後1時から大阪市北区の東映会館8階の東映関西支社で関学吉田定敬投手(21)の正式入団を水原監督立ち会いの上で発表した。吉田投手は30年泉陽高に入学、33年関学入学とともに一年からエースとして活躍、34年には春、秋のリーグ戦に連続優勝をなしとげる立役者となって秋の最高殊勲選手となり、その功績で関西スポーツ賞を受賞。春の学生野球結成記念大会では東京六大学の覇者立教を破って王座を獲得。このころからプロ球団の勧誘が始まったが、35年にヒジを痛めたことから各球団も手をひいたが、東映はじめ、水原監督は巨人時代から熱心に交渉をつづけていた。36年春には肩の故障も全快、全盛当時の球威をとり戻し、不振のときにも変わらぬ態度で誘ってくれた東映に入団したもの。長身から投げおろす快速球は関学入学当時から定評があり、東映にとっても大きなプラスとなるだろう。180㌢、74㌔、右投右打、昭和15年3月1日生まれ。

吉田投手の話 痛めた肩は完全に治っているし、もう大丈夫です。東映に入団した動機はボクが好調なときばかりでなく、肩を痛めて調子を落としている時でも熱心に誘ってくれたこと、水原さんのような立派な監督の下で働けることなのです。プロ野球はあまり見たことがないが、やれる自信はある。安藤君、尾崎君などライバルが多いが、目標はまず第一線に出場することです。

関学・江里口監督の話 今年のピッチングをみるともう肩の故障は全然ない。34年の全盛時の球威を取り戻している。吉田の決め球は外角をよぎる快速球だが、この球はプロに入っても立派に適用するだろう。シュートもいいが、これはカウントのいい時にゆさぶるためのもので、勝負球はあくまで速球だ。下半身のやや弱いことが欠点だが、これはキャンプでみっちり鍛えてもらえばいいだろう。日本一の監督さんにバトンを渡すのだから私も非常に喜んでいる。

水原監督の話 34年の吉田君の全盛時代に目をつけていた。一時肩を痛めていたが、その間も交渉はつづけていた。ウチの内野陣も弱体ではあるが、野球は10の中投手力が七割までを占める。その意味で今年は投手力を強化した。この吉田君をはじめ、安藤、尾崎、石原、長南とすぐれた投手を獲得、大いに期待している。
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