別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

夢見る野葡萄

2007-10-29 | こころ模様

            


  野葡萄をみつけた。  畑中の広い通りへ出る道で、 地元のひとや散歩や通院のひとが時折通る。  抜け出して喫煙スポットにする人たちもいる。  車も行きかうところだ。 
  それは、 脇の植え込みに まるで電飾か翡翠や瑪瑙の飾りのように、 たくさん下がっていた。  瑠璃や代赭、 薄紫、わくらばが誘う、 描きたいと思った。 

  一帯は畑で 農家が作物を育て、 くらしを立てている。 貸し農園もあり、たわわな野菜は、 どれも持ち主の苦心の作品である。 それをよく盗まれるので、警備を強化した。 大事なことでよく理解できる。  柿や栗、 あらゆる野菜、 すべて汗の結晶なのだ。 許されぬことだ。   
 さて… 


 くだんのネックレスは、 ガードレールに身を寄せれば取れる位置にあった。
 持ち帰っていい物だろうか。 この珠実を絵にしたら… と昂揚した。

 道路沿いの垣で、 所有権や管理の境界線だ。 しかし、 植木の外側は藪ではないが、 雑草が繁り蔓はからみあい側溝に向かって枝垂れている。 手をちょっと伸ばせば、そこは八重葎。  宝は目のまえにあったけれども。

  
   鍵は ふたつ…

  野葡萄は 栽培されているのか。 また、 野葡萄は商品になり利益を生むものだろうか。  (何であれ、 それこそ、 どうでもいいようなものも、価値を認めるひとにとっては、 有料だろうが手に入れたいものになる。 野草も、雑草も、 活け花に使うとなれば商品になる) 

  売り物ならば、 まして持ち主がいれば、 無断で採ることは盗ることになる。 ここは、 農家の方に伺わなければ分からないと思う。。

  バスの時刻が迫っていた。 尋ねるひともなく、 確認も取れぬまま写真を撮った。 次いで 蔓を曳き、 美しい実ごとつまんだ。


       パトカーが巡回してきた。 

 
                  -☆-


   まだ実物を活けて描くことができない。  夢の… ユメの野葡萄である。 
 

コメント (4)
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