ドアの向こう

日々のメモ書き 

漱石の美術世界

2013-06-25 | アートな時間

わくわくする。 作品の中にしばしば登場する日本美術やイギリス美術、造詣深く、 読みこむのも楽しみだ。 以下に 美術館案内より 要約にて引用します。  本展は

  実際に関連する美術作品を展示して漱石がもっていたイメージを視覚的に読み解いていく。

 漱石の文学作品や美術批評に登場する画家、作品を可能なかぎり集め。 伊藤若冲、渡辺崋山、ターナー、ミレイ、青木繁、黒田清輝、横山大観といった古今東西の画家たちの作品を、漱石の眼を通して見直してみる。

 漱石自身が好んで描いた南画山水。 漢詩の優れた素養を背景に描かれた文字通りの文人画に、彼の理想の境地を探ります。  さらに、漱石の美術世界をその周辺へと広げ、親交のあった浅井忠、橋口五葉らの作品を紹介し、 彼らがかかわった漱石作品の装幀や挿絵ども紹介する。 当時流行したアール·ヌーヴォーが取り入れられたブックデザインは、デザイン史のうえでも見過ごせません。

 


  振袖姿のすらりとした女が、 音もせず、 向う二階の縁側を寂然として歩行アルイて行く。 余は覚えず鉛筆を落して、鼻から吸いかけた息をぴたりと留めた…

  

 漱石文学の核に文化や芸術があり 活字の森をさまよい想像するのも楽しい。 知っているものがあれば、 なおさら響く。 深く味わえるしあわせ。こちらが育った分、 美術や、とくに古典の知識や理解が増えている。 清川先生に学ぶ賜物である。 いつもおっしゃる言葉 「知って、覚えて、合点する」。 わくわくして、常にたのしい。  


 

 

序章 「吾輩ハ猫デアル」装幀 橋口五葉

参考  五葉と漱石と 

漱石文学と 西洋美術、古美術。「草枕」「三四郎」「それから」「門」と美術。 漱石と同時代の美術、親交の画家たちの作品(津田青楓、浅井忠、橋口五葉、中村不折、正岡子規)。 自筆作品(南画山水、書、直筆原稿など)。 五葉による装幀や挿画、漱石自身による「こころ」装幀など展覧。

ターナー 「金枝」 アルルでもよく見かけた 傘のような Pin parasol ね。
 親交のあった浅井忠(誌上のユートピア)
 同時代の美術 平福百穗(ヒラフクヒャクスイ) 「罌粟写生図巻」 
青木 繁 「わだつみのいろこの宮」 下絵
  只今おさらい中の 古事記から 

藤島武二 「」 

白き蝶の、白き花に、
小(チサ)き蝶の、小き花に、
みだるるよ、みだるるよ。

 長き憂(ウレイ)は、長き髪に、
 暗き憂は、暗き髪に、
   みだるるよ、みだるるよ。
いたずらに、吹くは野分の、
いたずらに、住むか浮世に、
 白き蝶も、黒き髪も、
 みだるるよ、みだるるよ。 (野分 七)

 

 

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