フィヨルドとは内陸へ深く入り込んだ湾という意味で、100万年の昔から少しづつ氷河で削られた岩山のあとに海水が入り込んで出来たもので、ノルウェーの有名な4大フィヨルドのひとつがこのリーセフィヨルドです。
この日も一日中曇り空ににわか雨が何度もやってきて、震え上がるほど寒い日でした。
観光フェリーにはドイツ人の団体客に、イギリス人夫妻と日本人女性2人、中国人の男女が乗っていました。中国人の女性は数年前このスタバンゲルの町に2年ほど住んで居たそうで、今回日本人の友達を連れてノルウェー旅行に来たとのことでした。
激しく降る雨の中、フェリーはスタバンゲルのフェリーターミナルを出発し、両岸が迫っていて、まるで大きな河のようなフィヨルドを、内陸へ向かって進んでゆきます。
両岸に見えていた色とりどりの家々がだんだん見えなくなり、山と切り立つ岩が目立ってきます。そして雪解け水が流れ落ちている大小の滝がいたるところに見られます。このリーセ・フィヨルドの一番の見所は上の写真で見られる、四角に突き出た岩、プレーケストーレン(教会の説教壇)と呼ばれる平らな岸壁で600メーター垂直にそそり立っています。
ボートから見たところこの説教壇はとっても小さく感じられますが、絵葉書などでは何十人もの若者がこの岩で寝転んでいたり、フィヨルドを見下ろしたりしています。この岩の上に行くのは2時間も登山道を歩かなければなりません。
フィヨルドの水際の岩には約500頭のオットセイが住んでいてボートのアナウンスで数匹を見ることが出来ました。
このリーセフィヨルドの突き当たりの村リーセボトンは冬には船以外に交通路が途絶えてしまいますが、この日は観光バスがこの海岸線から27のヘアピンカーブを通って900メータの山頂まで一気に上ります。
山頂は残雪が一面でいたるところに池が出来ていてこのような池から滝が流れ落ちているのです。
帰りはこのバスで3時間、岩と水以外には樹木の無い荒野で身にしみるような寒さでしたが、山を下り森林の茂る地帯は気温の変化をはっきり感じられました。
キャンピングガイドによりますとノルウェーは道路が悪く交通が不便とのことだったので、スタバンゲンから南の海岸線を通ってオスロへ向かうつもりでした。でもポールはイギリス人夫妻と会話し私も中国人女性にアドバイスされて、明日はベルゲンへ行こうと決めたのです
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