20年ほど前、日本人の友達からもらった月下美人に花が咲いた。その時隣の奥さんが子宮癌で自宅療養をして居る頃だった。夕方7時ころから咲き出した素晴らしい花を隣の奥さんを呼んで来てもらい、大喜びしていた姿を今でも思い出す。
ロンドンの北に住む友達に挿し木にする一枝を上げて、温室に鉢を入れて一冬越したところで水不足と寒さで死んでしまった。
月下美人はメキシコ熱帯雨林原産で、水を要求するし寒さに弱い。
2年前にロンドン北の友達に一枝分けてほしいと頼んだところ、彼らの家では一度も花が咲かなかったという。それで20センチくらいの苗を貰って、夏は温室で冬はキチンの窓際で育て、大きく成長した。
この夏数週間ほど前、温室の中でもう死にかかっている花を見つけ、誰にも見られず死んだ花がかわいそうで、せっせと水やりしていたところつぼみが2つ付いた。
つぼみが大きく膨らんできたのでダイニングルームに入れ、毎日花の咲く日を待って居た。
9月9日月曜日の夕方9時ころからつぼみが開きだした。
9時10分近所の老夫婦を呼んで花が開くまでを楽しんでもらう。
1時間半後には花は完全に開いていた。インターネットで調べてみると、独特のにおいがするという。ところが英国の乾燥して冷たい空気のもとでは,あまり匂いはしない。この匂いは蛾を誘うためのものらしい。
花が完全に開いてからは近所のご主人と私での撮影会。花の後ろに黒を持ってきてと言われたけれどブルーの板があったからそれをバックに写真を撮りまくり、大いに堪能した。
このご主人は今日が89歳の誕生日だという。元気な人でお昼はゴルフをしてきたので10時半に帰ってウイスキーをお祝いに飲んで寝るのだ。この花は僕の誕生祝だね。と喜んで帰って行った。
本当に花は人々を幸せにする。
翌朝あれほど華麗に咲き誇っていた花は力を失い垂れ下がっていた。この夜昨日より1時間早く2番目のつぼみが開きだし、またもやカメラにつきっきりだった。
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