昨日9月8日の夜で今年のプロムスは終わってしまった。
これからは長い冬が待って居る。プロムスというのはロンドンのアルバート・ホールで行われるクラッシックミュージックの祭典でもう100年以上にわたって続いている。
最近はクラッシックミュージックだけでなく、アフリカの音楽や、ブロードウェーのミュージカル・ハンガリーのジプシーミュージックなど, 次々と手を変え品を変えで楽しませてくれる。このプロムスは英国の夏の音楽祭で毎年7月から9月はじめまでの8週間にわたり毎日演奏され、世界中の音楽家はこのプロムスで一躍有名になったりする。そしてBBCでは1週間に1-3回くらいはテレビやラジオで公開している。
このラストナイトというように、その年の最後のプロムスでは、アルバートホールだけでなく、その向かいのハイドパークの中の野外音楽堂とウエールズ、スコットランド、北アイルランドでも野外音楽祭が行われ、テレビ中継も連結して夏の終焉を感じさせてくれる。
夏の終焉と言っても英国では8月半ばから夜間は寒くなり、昨日の夜など雨が降らなくても寒さが身にしみるようになった。だから地方やハイドパークの野外音楽祭に出席する人たちは全くの冬装束で自国の国旗を持って行って大いに気勢を上げている。
アルバートホールでこのラストナイトを楽しめるのは8週間のうちに何度も通った人たちだそうで、当日だけ行ってみるにはチケットが手に入らないといわれる。
ハイドパークで寒さに震えながらというほどの勇気も熱意もない私は、一度も行ったことがなく、毎年テレビで見て録画して日本へ送っている。
ここに載せている写真はテレビの画面をカメラで写したものでこれって違法だろうか?
アルバートホールの演奏団の真ん前は立ち席で、旗を持った人たちがびっしり立って数時間も楽しんでいる。大変な体力忍耐力を強いられる。
毎年の立ち席で英国国旗やウエールズの国旗が振られる中に、必ず日の丸もいくつか見えて熱心な日本人がいるのだなーと思っているが、今年は日の丸は1度だけ見えた。
そしてとくに多かったのがEU の旗でブルーの地に金色の星が円を描いているもの、それに星がぐるっと一回りしたブルーのベレー帽をがぶっている人たちが多かった。EU 離脱に抗議する人たちに違いない。
このラストナイトプロムスには休憩をはさんでの第1部は完全なクラッシックミュージックでこの日もカナダ人のオペラ歌手、バリトンのジェラルド・フィンレイが出て歌っていたが、第2部になるとまるでお祭り騒ぎ。
威風堂々になると国旗が高く上がり大合唱になるから、カナダ人のジェラルド君も英国国旗にカナダの国旗も見せて歌っていた。
恒例のジョルーサレムに続き国歌を歌って、最後はホタルノヒカリで終わる。
ホタルノヒカリはスコットランドのロバート・バーンズの作曲したもので、もちろん本物の蛍など英国では見たくても見られない。明治時代に日本政府が西洋音楽普及のために取り入れたもので、オリジナルはオールドラングザインという。英国では年末,年の変わり目に皆で手を取り合って歌われる。
会場皆が腕を組み一丸となって大合唱して今年も終わった。
最後に国旗を振り国歌を歌い、会場だけでなく連結した地方の野外音楽堂でも何万人、何十万人の人たちが歌っている。いつもこれを見て羨ましく思う。日本人が国旗を振り誇りを持って国歌を歌えば右翼と思われるのだろう。ただ単純に自国の国旗を誇りに思い、誇りを込めて国歌を歌いたいものだ。ここ英国に住んで46年、また生まれ変わってたとしても日本人でありたい、そして住むなら英国で生活したい。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます