希望屋 ~ren_ka ci=set~

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地球へ… section06 「ステーション E-1077」

2007年05月12日 21時09分55秒 | ▼映像作品・番組
風邪をひいたらしいren.です。
朝(というか正午頃)、久々にひどい頭痛に襲われまして、脳みそをはずして冷水でジャブジャブ洗いたい衝動に駆られましたよ(w


さて、土曜は「地球へ…」。

今回から第2部です……といいたいところですが、今回の話は、実は原作にはありません。次回の話からが、第2部なんですよ。

なので、サムがステーションE-1077にやってきたり、着床事故が起こったりというのは、アニメオリジナル。
しかし、キースとサムの出会いという、原作ではオミットされている部分が丁寧に描かれていて、大変感心しました。

それにしても、なにかキースに違和感があるなと思ったら、頭のバンドが無いんですね。制服のデザインもかっこよくなってますね。

挙動不審のサム(w


では、内容をチェック。

まず、アヴァン。
キースの見ている夢ですが、今後の大きな複線が含まれています。まあ、勘のいい人はわかるでしょうが、チェックしておきましょう。

マザー・イライザの端末が、思いっきりビジュアル化されていますね。
彼女(?)のデザインにも、ちょっと伏線が含まれていますから、覚えておくといいかもしれません。

新入生ガイダンスのシーンは、原作通り。

いわば、より詳しい世界観説明でもあるわけですが、こうして順を追って読者・視聴者にも作品世界を理解させていくという手腕が、30年前の作品とは思えません。むしろ、最近の作品の方が、その辺を怠っているのでは?


さて、このガイダンスで重要なのは、まず成人検査における記憶操作についてでしょう。ごらんのように、両親や友達の記憶が、完全に消去されるわけではないということです。

どうも、そう考えている人が多いようですが(作中でも"記憶を消す"って言ってるしね)、洗脳という形の記憶操作ならば一度脳を白紙にするのも結構ですが、どちらかというと思想誘導という側面の強い記憶操作ですから、経験に違和感が無い程度には過去を残しておく必要があるわけです。

それにどうやら、より印象の強い事象は、なかなか簡単には操作されないようです。また、なにかのきっかけで記憶が蘇ることもあります。
まあ、HDDのフォーマットほど簡単な作業じゃないですしね(w

サムの場合、ジョミーのことは覚えていても、再会するまでスウェナ(ちなみに原作ではジョミーとサムには接点がありません)のことは忘れていたようです。
つか、女の子よりも親友の事のほうを記憶に残すサム(w


次に重要なのは、改めて説明された親子についてでしょう。
今まで登場したキャラクターは、ほぼ100%、試験管ベイビーです。彼らを育てるのは、育児資格を持つ大人たち。
それでも、我々の社会と同じように、親子の情というものは生まれるようです(アニメでは原作以上に)。まあ、そうさせるようにするのが、育児担当の使命なのかもしれませんが。

そして、成人検査によって親と切り離されたあとは、キースが「地球への慕情」と称した感情で、人間関係のつながりを再構成しているわけです。このとき、男女の分け隔てはありません。一様に「兄弟」という印象です。

それをアニメで印象付けているのは、グループごとの着替えのシーン。
船外活動服への着替えとはいえ、男女同じ更衣室を使っていました。うらやましい(w

それにしても、キャラデザインが原作の子供たちよりも、結構大人(高校生くらい?)なので、その辺が妙に生々しく感じられたりして(w

なぜ、そうした一体感を彼らに与えるのでしょうか。
それは、再生した地球へ、再び人間を送り出すためです。今は政府(地球再生機構"リボーン"と名称が出ていました)が管理し、人の降り立つことの出来るようなった地球へ送るため、「完璧に独立し、だれの子孫でもない地球の子たち」(原作より引用)を育成します。

キースの台詞にあった「メンバーズ」は、そうした要求に見合った、地球へ降りる権利を持つ優等生のことです。
その資格として、重要な要素があるのですが、それはネタバレになるので次回以降に。キースとスウェナに注目して、チェックしてみてください。

着床事故から新入生を救ったキースとサム(そしてスウェナ)は、メンバーズ候補生に選ばれたようです。原作だと選ばれるのはキースだけですので、今回のアニメでの出世頭は、まちがいなくサム(w まあ、すっかりキースになついた犬っころのようですが。


そして、彼らを見つめるカメラ
第一段階合格」とは……マザー・イライザの狙いは。

ついにシロエの再登場……ずいぶん成長していますが、何年後になるのかな。実はアニメだと、第1部と2部の間が何年経っているのか、しっかりと描写されていないので注目。



さて、ガッチガチの文系の私が、無理やり偏ったSF・宇宙知識をひけらかす豆知識コーナー(w

今回はキースらが着ていた船外活動服について。

光瀬 龍・原作 竹宮恵子・画 「決闘2108」より

広義の宇宙服は、宇宙船内で着る物も示しますが、今回はEVAで使われる船外活動服に焦点を絞ります。

船外活動服は船外活動(EVA)で着用する、宇宙空間で人間の身体を守るための気密服です。
人間が着込むだけで、真空や宇宙線、小さなデブリから身を守り、体調まで管理してくれる……これ自体がひとつの宇宙船といってもかまわないでしょう。

初めて実用されたのは、ソ連から'65年3月に打ち上げられたヴォスホート2号に乗船したアレクセイ・レオノフ飛行士が着た物。
アメリカはそれに遅れること3ヵ月後、ジェミニ4号のエドワート・ホワイト飛行士によって、初のEVAが行われました。
どちらも船外活動というか、宇宙遊泳というか……リードで繋がれた船外を漂っただけなんですけれどね。しかし、十分その機能を果たす船外活動服を、両国が実用化したという事実に変わりはありません。

その後、船外活動服が有名になるEVAは、やはりアメリカのアポロ計画、アポロ11号の月面着陸です。
あのアームストロング船長が着ていた船外活動服は、1着で10億円だそうです。
素材に、シリコンやアルミ・ナイロン繊維で、表面には金属繊維で宇宙線避けされています。また、内側には体温調整のために、水冷ラジエター機能の付いた下着をつけます。

現在では唯一、船外活動のために作られているのは、スペースシャトルの船外活動で有名な、NASAのあのタイプ
実は重さが120kg、さらに活動ユニットを背負うと180kgを超えるため、地球上でアレを着て動くことは、ほぼ出来ません。まあ、宇宙空間は無重量なので問題はありません。


では日本では?
残念ながら、いまだに有人飛行を自国で行っていないため、実用化されたものはありません。試作されたものや、アメリカのものをコピーしたものはありますけれど。

しかし、現在は新型の船外活動服を作る計画が、日本の宇宙航空研究開発機構・JAXAで進められています。

見ていただければわかるとおり、ハイブリッドタイプは今回「地球へ…」登場のものに近いイメージですね。
ソフトタイプはガンダムのノーマルスーツみたいですけれど、これで本当に生命維持できるんでしょうか(w まあ、Nスーツもあんなに簡単にヘルメットやグローブが取れちゃ、機密的にだめだと思いますけれど。

ハード・ハイブリッドタイプは軽量で動きやすいだけではなく、その指にいたるまでの関節の動きを補助する、パワーアシスト機能まであり、まさに新時代のSF宇宙服です。

ちなみに、こうした宇宙事業体ではなく、一般企業が宇宙服を作ると、もっと性能が良くて安価な宇宙服が作れる、という話もあります。
確かに、一部の企業は軍需製品よりも性能のいい物を作るところがありますから、試作・実験の場が開かれれば優良なものが生まれそうな話です。

ニュースを見ていると、まるでSFな話が実現していく世の中。
反面、気の重くなるような社会情勢や環境問題のニュースも目にします。
もしかしたら、S・Dは近い未来に本当にありえる話なのかもしれません。
コメント (2)
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