マレーシアGPフリー走行を観ていたren.です。
南国だけに、今回も雨がちになりそうだなぁ。
● 「メタリックガーディアンRPGリプレイ 起動、鋼の守護神!」 藤田史人/F.E.A.R. /富士見ドラゴンブック
「メタリックガーディアン」はゲーム・フィールド大賞SRS部門入選作。
見てのとおり、いわゆる巨大ロボットアニメ的TRPG。
一部では売切れているようですが、先日街中ではルールブックがふつうに店頭に並んでいました。
ざっくりいえば、「アルシャード」シリーズのルールをロボットモノに改変したもの(w
なので、加護等の用語・名称、そして効果がほぼ同じです。
ロボットモノとして独特の部分は、ステータスや戦闘ルールくらい。
まあ、従来のユーザーとしては移行しやすいですね。
リプレイは、ベーシックなスーパーロボットアニメ風の物語。
それだけに、特に驚きがないのは仕方がないところでしょうか(w
マスターはルール著者である藤田史人さん。
ゲームと関係ないけど、早苗と加奈子って……"また守矢か"(w
PC1、空から落ちてきたスーパーロボットと出会いパイロットとなる熱血少年、凰堂太陽にはルール共同著者でロボットのデザイン・イラスト担当の林啓太さん
基本はバンプレスト風ロボットと勇者系ですが、腰が細いデザインが好きみたいですね。
PC2、異次元に消えた姉を救うため、PCチームにもぐりこんだ敵スパイ、ヒロインのリニア・シャフトはO畑さん。
キャラクターチョイスから一貫したベネット臭(w
PC3、今はドロップアウトした大戦の英雄、いぶし銀の隊長、ハロルド・テイラーには鈴吹社長。
実は戦闘で一番目立っているところあたり、さすがのゲーム慣れ。
PC4、自身の存在意義に悩むクローン少女、八月三十一日(ほずのみや)ほたるには大竹みゆさん。
新しいゲームだからか、まったく殺意が感じられません(ライフルは乱射するけど)。
気になったのは、脱字が多いこと。
「天下繚乱」もそうだったけれど、最近、リプレイの校了が甘いぞ。
さて、正直な話、TRPGとロボットモノって、あまり親和性の高いものではないと思います。
まあ、極端な話をすると、アニメやゲーム以外は、マンガや小説も親和性が低いですけれどね。
ネックとなるのは次のようなもの。
「ロボットのイメージを共有しづらい」
自由にロボットをコンストラクションできるゲームの場合、ロボットの姿がどんなものなのか、作成者に絵心でもない限り他のプレイヤーは、いまいちわかりませんよね。
既存のロボット作品を利用する手もありますけれど。
「動いている姿をビジュアル的に表現できない」
アニメやゲームでは人気があるのに、マンガや小説でロボットモノが流行らない理由がこれ。
TRPGだと、上記のロボットのイメージと同様に、技や兵器のイメージを共有しづらいということですね。
「主役がパイロットなのか、ロボットなのかわからなくなる」
ぶっちゃけ、TRPGでロボットに乗ったキャラというのは、武器(攻撃力)を持って鎧(守備力)を着たキャラと同じ。
キャラクターシートでパイロットとロボットにデータを分けると、単に数字が増えるだけで面倒くさいし重い。
まあ、それで拙作「ブレバレ」では省略したわけです。
こうした部分もあってか、今までの商業TRPGでは、ロボットはフレーバー程度にしか扱われていないものが多い。
「メタルヘッド」は人間の方が便利で強いし、「バトルテック」は戦略SIMな上に2PC制を布いて大失敗。
「ワースブレイド」「エンブリオマシン」は世界観が独特すぎてロボットモノっぽくない。
ロボットTRPG(もしくはTRPGに登場するロボット兵器)は色々とがありましたが、普及したものはありません。
日本人ゲーマーは押しなべてロボットモノが好きなはずなのに、彼らを満足させた作品はないのです。
私自身もロボットモノは好きですが、個人的にもっともそれらしいと思ったTRPGは1つだけ。
それは「PRG福袋'96」収録の「戦え!正義の巨大ロボットRPG」です。
"古今東西全てのロボットを製作可能"が謳い文句で、実際当時の「RPGマガジン」誌上では、サンライズ作品のアニメロボットを実名でデータ化するという企画があったほどです。
さすが、サンライズとパイプの太いホビージャパン。
このゲーム唯一の弱点は、攻撃ルールが"ダイスを指で弾いて的に当てる"という物理的なものであったため、プレイヤーの爪が割れること(w
さて、この「メタリックガーディアン」は、SRSや「アルシャード」といった後ろ盾が厚いので、成功の雰囲気がします。
ロボットをコンストラクション・カスタマイズできる、戦闘がわかりやすい(煩雑ではあるが)、ゲーム的にパイロットとロボットの差別化がはっきりしている……といった部分も完成度が高いでしょう。
ビジュアル面の強化は、今後どのくらいサプリでリリースされるかに掛かっていますね。
あとはDXシリーズくらい、色々な遊び方が提案されればいいんだけれど。
ぶっちゃけ、提供されている公式世界観なんか無視できるくらい(w
まあ、ゲーム的に世界観と直結した部分もあるので、その点は難しいかもしれないけれど。