猛スピードで雪解けが進んでいる札幌から、ren.です。
ベランダの雪なんか、あっという間に無くなる勢い。
しかし、この時期になると、あちこちで路肩の雪山を崩している家が多いため、道がざくざく。
そんなことしなくても、すぐ解けるのに。
● 「東方鈴奈庵 1巻」 ZUN/春河もえ 角川コミックス
東方projectのマンガ新作。
"判読眼のビブロフィリア"本居小鈴が営む貸し本屋「鈴奈庵」。
彼女が集めている妖魔本が、人間の里に事件を巻き起こす。
小鈴は熱狂的な本マニア"ビブリオマニア"というよりは、倫理観が好奇心に負けてしまう"マッドディレッタント"ですね。
本の封印を解いて妖怪を顕現させていることに、どのくらい悪気があるのでしょうか。
騒ぎは結局、霊夢や魔理沙に解決されていますが、もし彼女らの力が及ばなかったらどうなることやら。
小鈴と霊夢は、どうやら以前から友好的な友人関係にあるようです。
霊夢が「ちゃん」付けで他人を呼ぶ姿って、珍しいですよね。
煙々羅を退治したときの霊夢の凛々しさは、マフラー姿もあってか中村主水を髣髴としました(w
重要なゲストキャラとして、「神霊廟」のEXボス・化け狸の二ツ岩マミゾウが登場。
人里では人間の姿に化けて過ごしているようですね。
その立ち居振る舞いは小鈴が憧れるほど渋くかっこいい。
まあ、中身は古だぬきだしな(w
狐狸狢キャラが好きな私も、改めて一目惚れ。
単行本書き下ろしには、「星蓮船」から明蓮寺メンバーが「証城寺の狸囃子」を演じます。
……いいのか、白蓮が狸退治の和尚さんで(w
そこにマミさんが「分福茶釜」の本を作って持ってきましたが、この"妖魔本"は何か今後の効能はあるのかしら。
そういえば、鈴奈庵は本の自主出版もしているようです。
「求聞史記」で有名な「幻想郷縁起」も印刷しいるそうですが、印刷機はどんなものなんだろうか。
妖怪の山の天狗たちは、写真を印刷できるくらいのものを使っているようですが、少なくとも挿絵が印刷できるものなんだろうなぁ。
……ガリ版だったり?(w
さて、春河もえさんの絵ですが、どこか独特ですね。
美術大生徒のことですが、その為なんでしょうか。
キャラクターは今時のかわいらしい絵柄ですが、服装や背景の筆致がいい意味で古臭い。
ぶっちゃけていえば、安易にスクリーントーンの処理や、背景を省略しないところに強い好感を覚えます。
筆や点描・カケ網の多用は、題材が妖怪なだけに、水木茂作品や浮世絵っぽくて雰囲気ありますよね。
今まであまり描写されることのなかった人間の里の風景が、今後どう描かれていくのか楽しみです。