レンタルDVDを利用するようになって初めて気がついたのですが、DVDにはビデオのように“吹き替え版”と“字幕版”の区別がないんですね。1枚のディスクに音声・字幕とも複数言語入っていて、トップメニュー画面で選択するようになっている(……何年も前から常識になってることを、まるで昨日今日始まったように書いてますが、すべてが新鮮で手探りなんですよ)。
深夜PCで見るために隠し持っていて(隠し持っているってことはないか)観慣れている数タイトルは、すべて和製TV特撮か昼ドラなので、1枚のディスクに4~5エピソード、プラス特典映像が入っているから「今日は第○話だけ観たい」「メイキングだけ観たい」というときのためにメニュー画面があるのだとばかり思っていました。
まぁ字幕や音声が選べるのはいいんだけど、この“トップメニュー”、ディスクのどこらへんに入っているか(ディスク読み込みが終わって新作予告や“海賊版は犯罪です”PR映像が出てきた段階でリモコン“トップメニュー”を押すと“その操作は現在できません”って表示されたりする。されないでいきなり言語選択画面に飛ぶのもある)、画面のデザインはもちろん、“選択”“決定”ボタンへの反応速度まで、タイトルごとにまちまち。
「アレ?前観たヤツではここをこうしたらああなったのに、コレはそうならない?」なんて状況が、新しいタイトル再生するたびに出来する。
結局、アナログ時代の“ビデオデッキでビデオ再生”の延長で考えるからいけないんでしょうね。
かつてのワープロは“日本語文書作成と管理専用に特化したパソコン”であり、その枠をちょこっちょこっと超えようとした頃に衰微し消滅したのですが、DVDプレーヤーも“デジタル映像ソフト再生専用に特化した、マウスの代わりにリモコンで操作するパソコン”と考えてみる。
もちろんDVD“レコーダー”の部分は、“デジタル放送データ録画と再生に特化した~”に読み替える。
そうすればなんとなくこの、思うようになりそでならない、微妙に隔靴掻痒な操作感とフィットする気がします。
昨日は非高齢家族が、「高齢チームも顔と名前一致する俳優が出てるタイトルのほうがいいだろう」と気を利かせ、ハリソン・フォードの『ファイヤーウォール』とブルース・ウィリスの『16ブロック』を借りてきたのですが、どちらさんもかなり加齢が進んでいて、うちの高齢チームがパッと見で個体識別できるギリギリのレベルになっている。
特に『16』は、ウィリスがクチヒゲたくわえていて、最大の特徴である顔の長さと、その顔長に占める鼻の下の長さ比率がかなり減殺され、シーンによっては一瞬、本当に『ダイハード』シリーズのアノ人?と思うこともありました。でもこの人、“ナサケナ刑事”キャラは自家薬籠中で、話が進むにつれ、役のほうから彼にすり寄って来る感がある。
『ファイヤー~』のハリソン・フォードのほうはもっと深刻で、もともと日本で知られている80年代以降の彼の代表作はほとんど40歳過ぎてからの出演という遅咲きですから、コンピュータ・セキュリティのプロという“非フィジカル”キャラ設定にしても、舞台となる中堅銀行の中におくと、共演陣と顔年齢に差がありすぎて「こんな老トルがハイテク部門の現役重役として前線仕切ってるって、US企業でアリ?」と思えてしまうのは仕方のないところ(公開時フォード64歳)。
しかも、犯行グループがセキュリティ設計責任者たるフォードの妻子を人質に、銀行オンラインへの“ファイヤーウォール”侵入と資金の移動を迫る…という手口からしてハイテク上等の知能犯かと思いきや、送金ソフトを考え出したハッカーがひとり配下にいる(タカアンドトシのトシに秀才眼鏡かけさしたようなオニギリ頭の青年)だけで、主謀者格の男(ポール・ベタニー)も簡単にキレて仲間を殺しちゃうなど、かなり行き当たりバッタリのおバカの集まり。
中年(というより高年)主人公が持ち前のコンピュータ知識と技術を駆使して、体力にまさる若い犯人グループの裏をかき妻子を救出、知力が暴力を斥け、知力対知力ではカネ目当てより、家族を守る愛情に支えられたほうが勝った…という展開を期待していたのですが、違法送金こそ会社の若い保安課員?(→フォード直属女性秘書のボーイフレンド?)の携帯端末を咄嗟に拝借することで食い止めた(らしい)ものの、結局最後は焦った主犯と空き家のコテージを舞台に素手で殴り合い蹴り合い。
金髪でアメフト体型のベタニーがどう見ても設定年齢30代前半~中盤なので、ガチケンカ勝負で60代が互角じゃリアリティないにもほどがあるだろうよ。どんだけ弱いんだ犯人。
フォードの“腕っぷしの劣勢を知性と家族愛でカバー”キャラは、どう見ても『逃亡者』(93年)あたりが限界。
97年の『エアフォース・ワン』ですでに、“丸腰でも合衆国大統領”という権力属性を付加しないと、ヒーロー性が保てなくなっている。
それはともかく後半、犯人の罠で警察に手配される身となりながら単身妻子救出に突撃のくだりでパソコンと車(←やっと走るポンコツ)を提供しパートナーとなる秘書ジャネット(メアリー・リン・ライスカブ)が、銀行重役の専属セクレタリーにしてはえらく貧相で田舎臭い娘で、「日頃ステキなボス♪(でも妻子ありショボーン)と思っていたのに急に態度がおかしくなってクビを言い渡されたりワタシさんざん……でもなんかタイヘンなことに巻き込まれてるみたいだから、いいワ、ワタシこのボス信じてみる!」みたいな、頼りない必死さを漂わせてナイス助演。
“嵐が近づいている”という設定に、半島の突端にあるフォード私邸(家族ごと犯人グループが占拠)が交通途絶して警察も手が出せず…という展開も匂わせましたが、途中土砂降りにまぎれて、鍵持ち住人の後にくっつきオートロックのマンションに潜り込む場面がひとつあっただけで、あっさり晴れた内陸に舞台が移っちゃうし、まったく伏線になってなかった。ロケ撮影が日程オーバーになって急遽舞台をすげ替えたかな。
飼い犬のGPS首輪で逃走追跡なんて、別にコンピュータ専門家でなくても、GPSに関する知識さえあればシロウトでも思いつけるし。
なんだか大枠の設定(コンピュセキュリのプロが妻子を人質にされ自分が設計した防壁侵入を迫られる)に、細部のアイディアをいくつか寄せ集めてはめ込み、主演フォードで企画成立したところで無理やり発進!させたような映画でした。
最小限、もっと男女優ともに美形、色気を盛り込まなきゃ娯楽作として成立せんだろうに。まぁ高齢家族が退屈しなかったみたいなので良しとするか。
夜は正月恒例『壮絶筋肉バトル!!スポーツマン№1決定戦』(TBS系)。出場者、野球にバスケにアメフトにってスポーツ各界から集めたらしいけど、ワッキーときんに君と池谷弟と吉田秀彦選手以外誰も知らない(倒)。
しかも、“この種目の選手なら、身体能力のこの部分が秀でているから、この競技は得意だろう”という期待値も、実際の各選手のパフォとしっくりマッチしない。
よって“勝つべき人が勝った”あるいは“勝てるはずない人が勝った”という、見世物としてのスポーツに不可欠なカタルシスがない。
唯一すっかり横綱体型になった吉田選手がパワーフォース(身体綱引き)圧勝で「さすが」を見せつけたのみ。
ロナウジーニョひとりに時間割きすぎ。コアなサッカーファン以外そんなに人気あるのか。サッカーじゃないものをやって見せてくれるということに、有り難味は発生するのか。応援のご家族も来日って完全に観光旅行だろう。足元見られてるぞTBS。
女子跳び箱は女子選手レオタードタイツ開脚姿目当ての男性視聴者向けピンポイントのつもりだったのでしょうが、男性諸君は満足?アノ程度で。
一般戦の幕間インタビュアー女子アナのほうがかわいいコ揃ってたがな。