昨夜はNHKBS‐2で『風と共に去りぬ』を放送していました。初めて見たのが高校時代で、劇場・ビデオ・衛星・地上波合わせて何十回観ているかわからないくらいですが、TVつけて「やってるな」と思うと、つい観てしまいますね。
彼岸の人ゆえに老けないヴィヴィアン・リー(公開時26歳)の美貌もありますが、当時の映画業界では大冒険だったテクニカラー画面の持つ華ですかね。ライティングとか女優さんの衣装とか、「色付きだぞどんなもんだい!」ってなアンビションが場面場面にあふれ、はじけている。
それにしても、スカーレット・オハラというヒロイン、いつ見ても勘違い、トラブルメーカー、本当にイヤな、困った女だ。職場や町内会PTAカルチャースクールその他に、もれなく1人はいるタイプね。
この後のNHK総合『爆笑オンエアバトルスペシャル タカアンドトシの正月か!』は録画視聴。『オンバト』でメジャーにしてやったという上から目線でか、NHK、年明けから磨り減って無くなるまでって勢いでタカトシ使いこんでますな。
タカトシ未満の若手と言えども一応売れっ子のオンバト常連さんたち。スケジュールを全収録分押さえるのがむずかしかったと見え、コーナーごとに顔ぶれシャッフルで、「この人たちが出るならこっちのコーナーにも出してほしかったよ~」とストレスがたまる。
東京03は絶対“古今東西山手線ゲーム”に入ってほしかったし、ハマカーンとパンクブーブーとラバーガールも“ネタかキャラか”トークに混じってほしかった。となると巨大炬燵が必要か。ザ・たっちに外れてもらうか。
トータルテンボスの“ハンパねぇ”トークが番組中の白眉でしたね。「一世風靡したっけアレ?」って禁断のツッコミ投下したのがハイキングウォーキング松田だったことが意外でしたが、彼の勇気ある突破口のおかげで大村「(相方のボケ担当)藤田はキャラ持ってるから立てなきゃいけない、でも“ハンパねぇ”で笑えたことがありますか?って話ですよ」と自虐がはじけ、ハイウォーQちゃん・松田「なことないって!」「おもしろいって!」とある意味輪をかけて、そこから弾み出した。
タカ「最初あんまりバカっぽいから(“ハンパねぇ”は)面白かった、でも飽きられるのも早かった」大村「そう、キャラは鮮度が命だから飽きられたら終わりですよ、その点タカトシさんは欧米か!で(第一線に)行きましたけど、地肩が強いからそのまんま(上へ)行けたわけじゃないですか、地肩ってネタでしょ」タカ「そう、いいこと言う」大村「だからボクらも欧米か!みたいな感じで、ハンパねぇに突破口ゆだねましたけど失敗しましたよ」トシ「まあねー(←そこで同意すんなよ)、でもまだダメだと決めつけるのは早いよ、オレらの欧米か!も自分らでやり飽きたぐらい(の頃)に世間から(おもしろい、ブレイクしたと)言われ出したから」藤田「でも欧米か!はやればやるほどウケたでしょ」トシ「まああんまりスベんなかった」藤田「ハンパねぇは使えば使うほどスベるんすよ」
…確かに「ハンパねぇ」を多用していた頃のトタテンは、「ハンパねぇ」単体でも、ネタ総体でもあまり面白くなかった。今回のトークのように「かつて“ハンパねぇ”って盛んにやってたけどアレは面白くなかったね」という文脈が成立して、初めて「ハンパねぇ」で笑える。
ただ、この一連の話題を通して、トタテン大村が“キャラ”と“ギャグ”を混同しているように思えたのが気になりました。
ギャグって本来、キャラを必要としないで成立するからギャグなんじゃないのか。谷啓さんが「ガチョーン!」言うとき、ビートたけしさんが「コマネチ!」やるとき、途中どんな設定のコントでどんな役どころでも、どんな話題の漫才でも吹っ飛ばす瞬発力があったはず。
ここへ話行く前、ハイウォー松田のQちゃん評「ネタ覚えようとしない、現場で噛む、飛ばす、最悪ですよ」にイワイガワ井川が「気持ち悪い、ネタ書けない相方持つツッコミはタイヘンよね」と援護(?)張ったのも笑えた。松田も井川もキャラ薄いというより作家体質なんだろうな。
弾丸ジャッキーの出初め式挑戦は別立てでやってあげてほしかった。NHKはCMがないので、本編の企画のどこかが箸休め扱いに格下げされることになる。体操オラキオが体張り中、自衛隊テキサスを一貫してお客扱いなのもちょっと手抜き。
ヴィジュアル大喜利で特筆すべきはタカの怖ろしいまでのアドリブ使えなさと、もうひとつ面白かったのは桂歌丸師匠の楽屋でごきげん映像がお題になったとき。“ハゲ”“年寄り”“死にかけ”といった“『笑点』文脈”を、若手の皆さん、誰も援用しないのね。まあ素材が大ベテランだってこともあるでしょうけど、これは新鮮と言っていいのか拍子抜けと言っていいのか。
ハマカーン浜谷のこのお題への回答「ウィーン」は月河もツボでした。誰が演っても、ネタにこれ入れるだけでものすごく若手芸人っぽくなるもんね。「歌丸師匠クラス(の年齢)なら、オレら(若手)のここが可笑しいんじゃないかな」という浜谷の読みが透けて見えた段階でもう一度笑えました。