昨日(27日)はHDD・ビデオ(いまだHDD慣れてないので保険)両建て録画を回しつつ、『仮面ライダーキバ』第1話を遅めの日曜朝食準備傍ら、ながら視聴。
1年前『電王』の1話ではいきなり主題曲の ♪いーじゃん!いーじゃんすげーじゃん! で、あぁ骨の髄まで小さなお友達向け仕様だわコレ…としみじみした記憶がありますが、今作は鳴海シュウヘイさんの曲『Break the chain』、ヒップホップ調でなかなか渋いではないか、OP映像も『555』の赤網に捕らえられた真理ちゃん(芳賀優里亜さん)を思い出させてなかなか見せるぞ!と思いきや、本編に入ると見分けのつかない美形女性キャラ満開の絵柄華やかさにちょっと圧倒され気味。
『剣(ブレイド)』の後半ぐらいからかな?仮面ライダーの原点に戻って“青年前期の男子向け”女子キャラが惜しげなく投入されるようになってきましたね。『555』の蝦姐さんこと影山冴子さん(モデル出身であんだけ演技的に化けるとは驚異だった和香さん)や、『剣(ブレイド)』の蘭ちゃん吉永みゆき(その後昼ドラでも大活躍の肘井美佳さん)・虎姐城光(浜崎茜さん)ぐらい綺麗でキャラ立ってて魅力があれば、中年後期の女子も大歓迎だけどな。
あと、喋るCGキャラ・キバットね。喋って悪いことはないけど、『555』のオートバジンや『龍騎』の契約モンスターたちを思い出すと、声萌えガワ萌えのためになんでもアリになっちゃったな、とつい遠い目になったりもするわけです。
『響鬼』ですら(“すら”ってこたあないか)、ディスクアニマルたちは啼き、吠えるだけで、連絡事項喋りはしなかったし。
70年代の元祖仮面ライダーを小学生時代に見て憧れて、2000年代に入ってからのいわゆる“平成ライダー”を30~40代になってから子供につられて見た世代のお父さんたちが「銃刀や剣で戦うライダーなんか仮面ライダーじゃない、仮面ライダーは素手でパンチとキックだ!」とひそかに不満に思う気持ちが、少しわかったような気がします。
ようするに、“こんなことができたらいいな”を現実化し、“感情移入しやすいキャラを惜しげなく投入する”ことに関して、節度がどんどんなくなってきているんだな。
まあ、いち視聴者としては、話としておもしろくしてくれることになんら異存はないのですが。
たとえば前述のオートバジンや『龍騎』のサイ型メタルゲラス・白虎型デストワイルダー、『剣(ブレイド)』のマッハで走るジャガーアンデッドなんかは、“人間言葉でしゃべったらおもしろそうだけど、設定としてしゃべれない”から限りない味があった。
ご親切に先回りしておもしろくしてくれてるために、かえって“観る側が想像力でおもしろさを紡ぎ出す”道が封印されてるような気がしてならないのです。
父・息子2代のヒーロー。ちょいナンパでナルな86年時制父役・武田航平さんは“見ばえのいい、嫌味を洗い流した赤坂泰彦風”、不器用でナイーブな現代時制の二世役・瀬戸康史さんは“同・米良美一風”。夜空の月をバックにした変身シーンはダークファンタジックな魅力があります。
お話もキャラも、成功したライダー作品は序盤のある時点から急速に“握力”を増していくのが常。それまで見守りましょう。
それにしても、『安宅家の人々』といい、そろそろドラマという虚構上でも“80年代後半バブル期”を現代の諸問題の父祖、淵源に想定するのがトレンド?になってきているのかな。それも面白いですね。