イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

水・砂糖・ピザ

2008-01-24 16:09:56 | テレビ番組

いささか出遅れましたが18日(金)放送の『爆笑オンエアバトル』

出遅れたのはそのせいと言うわけじゃないけど、どうにも再生していて爆笑に誘われない回でした。

まず第1位の493kbがいきなり玉入り過ぎ。声も出ていて演じ切れていたのは今回のオンエア組の中ではいちばんと思いますが、「おまえメンズじゃねーか」までの掴みがゆるかったし、「全然できてねーじゃねーかオマエ」の繰り返しで増幅して行かなければならないのに、そうならない。「もう子供要らない」でネタ終了かと思った。

あと、今回のこの人たちで笑えなかった一番の原因は、『アブラハムの歌』って、アレ、お子さんたちにはポピュラーなの?…歌詞も曲も全然知らない、一度も聴いたことがなかったので、どこが可笑しいのかさっぱりわからず、ここであらかたノリっぱぐれてしまった。自分が元歌を知らなくても、観客のノリが目立って良ければつられて笑ってしまうこともあるのですが、そこまで盛り上がってもいなかったし。

ただ、敬語使いのお父さんが「今日から優介くんのお父さんになりました」「なにその昼ドラみたいな展開」はちょっと笑った。このネタのこの箇所がというのではなく、先だっての『エンタの神様』でのタカアンドトシの浮気探索コントや、ギャロップの「本当のお父さんじゃないんだ」でも思ったけど、「若手芸人くんたち結構観てるのね昼ドラ」という、そのことが可笑しくて。

歌ネタと言えばオジンオズボーンですが今回は445kb5位。ぶっちゃけ歌自体あんまりうまくないし、歌ネタにこだわる理由がわからない。

歌で始めたばっかりに「名曲を作る人は心がピュア」という2ndパートへのつなぎも強引になったし、財布拾って「ピロリロリーン」「デンデンデンデン」の天使と悪魔ネタは、一昨年のM1決勝でザ・プラン9がやってたのとそっくり。設定大枠そっくりでも料理のしかたが新鮮ならまったく構わないのですが、「ゴミッ財布ゴミッ財布」リフレインの最後のほうで篠宮が半笑いになっていたように演じ方も雑。「閻魔様と神様」「オマエ舌抜かれてるやないか」以降のくだりが、もっと前に来ていれば、も少し上昇感があったかなと思いますが時すでに遅し。オチ落差の乏しい「もうええわ」になってしまった。

同点445kb5位なら、4回目の正直で初オンエアのアイデンティティのほうがネタの質が高かった。「右に出るヤツは今井」「今井さん連れてきてよ」のやりとりとか、ツッコミの「原理がわかんない原理が」、「さりげなく帰るなさりげなく!」などのフレーズ・抑揚、「だってオレが親切できるって言うからオマエ付き合ってくれてんだろ!?」と逆ギレする辺りに軽くタカアンドトシ風味も感じられましたが、観ててタカトシっぽいなと思える箇所が、口惜しいけど(口惜しいのか)いちいちおもしろいんだな、この人たち。さりげなく帰るところと、「逆立ちしてたじゃないですか」「知らないですね」と「レッツゴーチョモランマ爺さん」「どこ行きゃ手に入るんだ」で今回オンエア全組中いちばん笑った。

ただ、やはり4回目でやっと初オンエアという現実が示す通り、声の出かたが「ガシャンガシャンガシャーン」などいかにも硬くて小っさいし、ネタ中意味なく前髪に手をやったり、演じ慣れしていないところも目につきました。コンタクト落として踏まれてパリーンとか、駐輪場でガシャンガシャーンとか、言うなれば“ネタ世界の狭さ=日常チャハン事ワールド”に徹することを持ち味にしつつ、場数を踏んで行けば、結構伸びるかもしれません。

ななめ45°は前回オンエアのマラソン追っかけネタと同じく、“車掌の決まり文句がいちいち男女の修羅場話に平行移動”という着眼はとてもおもしろいんだけど、またしてもリズムが悪い、悪すぎる。ネタとネタ、フレーズとフレーズの間が空き過ぎるので、観客が“待って”しまい、待たされた結果笑いに意外性がなく萎んでしまう。

鉄っちゃんが上手から突き飛ばされて出てきて、着替えろと言われて服着ると車掌の格好になるまで、男と女装の会話だけで一箇所も笑いどころがない、助走の無意味な長さも前回のマラソンと同じ。

あと、トリオでお芝居コント主体の組はほかにもいますが、この人たち、3人の演技のタイプがなんかバラバラな気がする。ひとりひとりが別方向にリキんでいる感じ、有機的に盛り上がってこないのです。

笑いの大きさとは別に、いちばん安心して見ていられたのはやはり477kb2位のタイムマシーン3でした。「その気持ち会費にぶつけろ」「カネ取んのか」のきれいなオチっぷりも全組随一だったし、パッと出の客席とのアドリブ(かな?)やりとり「衣更え?それ日本語?」「カッコいいなオマエ」ひとつとっても、やっぱり同じ悩みごとネタ・デブネタ勝負でも響に比べると一日も二日も長があるのは認めざるを得ません。長友と関太の汗の量を見ても燃費差、つまりキャリア差は歴然。ま、太ってる人にも汗っかきタイプとそうでないタイプがいることは確かですけどね(そういう問題じゃないか)。

でもこの人たち初めて見たのもオンバトだったのですが、関太は以降も“一目瞭然レベルのデブキャラ”を維持しつつ、際限なく膨張して行きそうでもないし、いい感じで“高原状態”を保っていますね。前にも書いたけど、関太との比較で動きが少ないため、前提としてキャラが薄くなっているツッコミ山本が愛嬌全開するネタを、一度ぐらい見たいな。

チャンピオン大会出場権枠も徐々に埋まってきていますが、今季は“そろそろ卒業してほしい”常連組はともかく、出場有力ゾーンに楽しみな新顔が少ないのが残念。勝ちあがって行けば新ネタ2本を必要とするだけに、高いハードルですがサプライズな新人くんたち出ないかな。

あと、ここへ来て、現チャンピオンNON STYLEの迎撃を結構楽しみにしている自分もいることに気づいた。M1グランプリではまったくカスリもしなかったし、年末年始花盛りのおバカバラエティでも、コーナーMCぐらい任されてもいいポジションだと思うのに顔が見えませんでした(こっちがあまりリアルタイムTV視聴してなかったせいもあるが)。『オンバト』が現在、彼らのネタを見られる事実上唯一の機会です。歴代でいちばん“在位”中の露出あるいは磨り減りの少ない“温存度”の高いチャンプと言ってもいいかもしれない。

M1優勝のサンドウィッチマンは、明けてすぐのテレ朝系情報番組で優勝ネタ、さらに新ネタを披露する機会ももらって、持ち前のトッぽさヤクザっぽさも、一間のアパート同居からいきなりブレイクのテレ・初々しさといい感じにミックスされ、徐々にお茶の間に受け容れられてきているようです。

ここはNON  STYLEもオンバトという看板の名誉にかけて、ぜひ昨年のアレがフロックでなかったというところを見せて欲しいものです。

コメント
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