昨年春、親不知でエライ目にあってから、歯と歯の間の食べ滓(かす)、プラークコントロールっつうの?のためにデンタルフロス=糸ようじを、特に在宅で食後歯磨き時間をじゅうぶんとれるときぐらいはなるべく欠かさないようにしていますが、アレの使い方もコツがあるようで。
ともすればパチンコの柄みたいになった二股のどっちかが、糸が歯と歯の間にうまいこと食い込むより先に、歯茎の“山”を突っついて傷つけてしまいがち。
最近はしっかり鏡を見て、狙ったところに糸を挟み込むようにしていますが、この作業中は、傍から見るともんのすごいマヌケな顔に見えるだろうな。
それで思い出したんですが、人間、いや女性限定かもしれないけど、マスカラ塗るときってどうしてクチが開いちゃうんだろう。
それも、“ア”でも“オ”でもない、べらぼうにアホっぽいカタチに開く。
目だけおっきく開けてりゃ塗れるのであって、クチは普通に閉まってていいのに。
女性のお化粧姿って、基本、色っぽいもので、世の男性の妄想を刺激してやまないと思うけど、マスカラ塗ってる最中でも美人でいられる女性がいたらすごいと思うよ。
男性の場合は、たとえば目薬さすとき。異性だから共感抜きに冷たく観察すると、クチが“ア”と“イ”と“エ”の中間みたいな、なんともいえない形に開きますね。きゅっとりりしく真一文字にクチを結んで目薬さす男性が、もしいたら速攻惚れ………………
………ないな。ないない。そんなに簡単にオチてたまるか(元にもよるし)。
今週は31話から再開した『真夏の薔薇』、水曜の33話を録画ミスってしまったのですが、週明けからいきなり郁子(姿晴香さん)が母・巴(鳳八千代さん)に「碧は本当は火室(小野寺昭さん)の子じゃなく離婚した夫の子」と爆弾発言、「英雄さんと家族になりたくて、碧はあなたの子よと偽ったの、死ぬまでこのウソはつき通すわホッホッホ」と開き直る。
一方先週ぐらいまでは稲彦と碧が“きょうだいのように”付き合っているのを心広く大所高所から、碧の夫兼稲彦の友人として和気藹々見守っていたはずの靖顕が急に疑り深く陰湿になり、たまりかねた碧「稲彦さんとわたしは血のつながった実の兄妹とわかったから別れたの」と告白すると、今度は「オマエたちは兄妹でセックスしていたのか!?ケダモノだぁ!」と怒り狂い暴力を振るう。
碧にしてみれば、「男女の縒りが戻る事はないのよ、嫉妬や勘ぐりは無用よ」と強調したいがための兄妹カムアウトだったんでしょうがギザ逆効果。靖顕としては「じゃあ兄妹でなければ別れなかったっちゅうことかよ」というほうに思考が行ったのかもしれないし、“兄妹で肉体関係=ケダモノ”と繰り返し言いつのる心理の根底には、自分も妹・典子(福家美峰さん)か、あるいは別の血縁濃い女性に屈折した思いを、一瞬でも抱いた過去があったのかもしれない。序盤挙式前にちょっと登場して、碧を理想の嫁と見て安心して退場、ほどなく他界した靖顕母(草村礼子さん)の“息子が可愛くて可愛くて”な佇まいが思い出されます。
とにかく万事自分らの都合のいいようにしか考え行動しない親世代の郁子・英雄、年中あきれたり涙ぐんだり慌てふためいたりばかりで根本的な解決の手助けに見事に何も役に立っていないお祖母ちゃん・巴、そしてこれまたその場その場の自分の感情の範囲でしかものを見られない稲彦と靖顕の男ふたり。このドラマ、定番的にドロドロごちゃごちゃしているわりに、つきものの“じれったさ”“ループ感”が少ないのは、なんだかんだでそんなごちゃごちゃの中で、ヒロイン・碧の姿勢に、冒頭からブレがないからかもしれません。
よく昼ドラの作りの安易さを示す例に挙げられる“ブラック化”“ホワイト化”(=善意だった人物が、たとえば嫉妬などをきっかけに手のうら返したように悪になる、あるいは逆に、敵役ポジの人物が、誰かの死や病気などをきっかけにコロッと改心し善人になる)が、このドラマではまだありません。
いい加減な人は最初からいい加減、手前勝手な人は初めから手前勝手、バカは最初からバカ。
靖顕のDV化にしても、一度は親友で職場の同僚でもある稲彦と駆け落ちまでした碧に「やり直そう(やり直せるか!)、オレのもとに戻ってきてくれ」と平然と求愛し、職場替わるでもなく引っ越すでもなく、これまた平然と稲彦と同僚として接し続ける時点で「コイツ寛大とかお人よしってより、神経まともじゃないだろ」(←それを言うなら無論稲彦も)と、豹変の可能性はじゅうぶん感じられました。
ヒロインのハッピーエンドを願いつつ観るのが帯連ドラの常道でしょうが、碧には、相愛の稲彦と、“やっぱり血縁はなかった、恋愛しセックスし結婚もできるめでたしめでたし”ではなく、とにかく“ブレない”まま終わってほしいな。
すべてのタネをまいた親世代バカップル英雄・お郁さんには相応の報いを…といきたいところですが、なんかこの2人も憎めないんだなあ。て言うか、あんまり憎む気にもなれない、バカすぎて。
報いの鉄槌が振り下ろされたらされたでわかりやすくオタオタギャーギャーわめいて、結局はつける薬ないまま、死ぬまで治らなさそうなんだもの。
何か、俳優・英雄得意の古典お芝居をなぞって、2人心中するとか?…バカにそれほど見せ場サービスすることもないやね。バカのまま、英雄の俳優業以上の得意ワザ「よし、みんな揃って乾杯だ!」にお郁さん「そうね、おいしいお料理作るわ!」なんて幸せな家庭ゴッコでお終い、が似合いかな。