イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

走れバイクよ 紅号よ

2008-01-29 23:25:58 | アニメ・コミック・ゲーム

↑↑↑もちろんキャラ違いです。

仮面ライダーキバ』。『安宅家の人々』と、時制の“バブル期”のほかにもうひとつ共通項がありましたね。

OPに降りそそぐ紅薔薇の花びら

昼ドラで赤い花びらはそんなに新奇なモチーフではありません。記憶に新しいのは01年『レッド』。

生まれつき髪が赤いことでいじめられ悩んできたヒロイン(遊井亮子さん)にとって、“赤”は特別な色であり、舞い落ちてくる花びらが赤に変わることを受け容れ、次第に表情が和らいで、色あざやかなショーウィンドウの街を活き活き笑顔で走り出すOPは、そのまま最終話までの彼女の心の旅路を象徴していました。

『安宅家』OPでシンプルな白ロングドレス姿の遠藤久美子さんに降り注ぐ花びらは、OP冒頭の、無人の安宅家ダイニングに飾られた花瓶の薔薇から横すべり的にパンするところからして“安宅家メンバー・家族の温かい愛情と、愛に満ちた思い出”を象徴するのではないかと思われます。

花びらの散り敷く道を行く遠藤さん、急に星の光のフラッシュに目をそばめますが、見回すと輝きに満ちた無限の宇宙。ラストは再び花びらの深紅の絨毯の上、満ち足りた表情で横たわり“広い世界を仰ぎ垣間見、ときに驚き怖れる経験をへても、帰る場所は家族の愛”ってところでしょうか。

『レッド』OPを初めて見たときは、ブライアン・デ‐パルマ監督の映画『キャリー』を思い出して、最終話近くまで不気味さ・不吉さが拭えなかったものですが、慣れでしょうか、今作は紅の花吹雪にはむしろ“華のある安らぎ”さえ感じられ、異様さや落ち着きの悪さはありません。

…ただ、OPバックに流れる主題歌『ヴァージン・ロード』(新妻聖子さん)の、神々しい中にも物悲しい歌詞のせいもあり、食卓を彩り馥郁と香っていた“愛”が、“甘やかにも儚く散ってしまった思い出”に変わる展開はあるかも…とは一抹思わせます

一方、『キバ』は、ヒーローの姓からして“(くれない)”と直球ど真ん中。

OPでヴァイオリンに降りそそぎ、横たわる音也&渡の父子ヒーローを覆い隠し、渡が素手パンチで粉砕するステンドグラス窓から嵐と吹きつける深紅の花びらは(そもそも薔薇と特定できるカットはなく、この世のものではない可能性も)、脈打つ“血”“生命力”の迸りを伝えてくるとともに、“滅び”の気配“散華”の予兆もはらんでいます。

イメージとしては『龍騎』OPの鏡(ミラーワールド)の破片に近いかもしれない。紅の花びらが舞うとき、何かが始まり、何かが崩壊する。劇中でキバットがモディリアニの『ジャンヌの肖像』を礼賛していましたが、『レッド』じゃないけど、この画家にとっての最愛のミューズも赤毛で有名です。“赤”のイメージはこれからもかなり強調され、いろいろな形で核心とかかわってきそう。

ところで『安宅家』と言えば今日17話では、譲二(小林高鹿さん)のプレゼンにしたり顔でヨイショする役員に06年『美しい罠』の小谷教授・窪園純一さん、新装オープンした安宅高原ホテルのウェイター役に05年『契約結婚』の万砂子弟で『週刊こどもニュース』OBの荒川優くん、ウェイトレス?役に04年『愛のソレア』の洋一妹・松下萌子さんの顔が。

特に松下さんは眉が『真夏の薔薇』の碧みたいなアーチ型になり、『愛ソレ』の強腰でジェラスな少女時代凛子とイメージが180°変わっていたので、今日の出番は久仁子(遠藤さん)の開業スピーチをかしこまって聞いているワンカットだったこともあり、初見では識別できませんでした。

そろそろ安宅家”関係者以外のアウトサイダーが、誰か積極的に本筋に絡んでこないと息苦しくなりそうな時期に来てもいます。なんだかんだで以前からお馴染みの俳優さんの参入で楽しみは増えました。

コメント
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