15日夜のNTT東日本インターネット障害に関して、昨日の朝刊に詳しい報道がありました。東京23区と千葉、神奈川、埼玉以外の関東甲信越、東北・北海道の広範にわたり、復旧には16日未明までかかったとのこと。ウチは23:00過ぎには回復していましたから、比較的軽傷なほうだったのかも。月河は、PCの機械的不調なのか回線上の問題なのかがわからないという不安を除けば、ブログの続きが書けないくらいの被害ですみましたが、ネットオークションに参加して締め切りが迫っていた人などはかなりパニクったようです。これに人口の多い東京23区が巻き込まれていたら、もっと甚大な影響があったでしょう。
月河の接続は集合住宅タイプの光withフレッツで、加入時に据置電話もひかり電話に切り替えたのですが、後から考えて不思議なのは、OCN会員テクニカルサポートのフリーダイヤルに、電話はつながったんだよなぁ。新聞報道では「ひかり電話からは119番・110番等の緊急通報もできなくなった」とあるんだけど。
ネットはつながらない、電話もつながらない、なんてことになったら、パニックなんてもんじゃないね。表に飛び出して、「だだっ誰か助けてくださーーーい!!」って、“ひとりセカチュー”になっちゃうな。PCは月河がときどき検索頼まれて画面見せる以外触れたこと無し、留守電・FAXの操作すら何度教えても次に使う時には忘れているスーパーアナログ高齢家族は、「何をさっきからソワソワ何度も電話してはかけ直してるのか」と不思議がっていたみたいだけど。
月河はネットはウェブ検索が大半で、たまに利用する2~3の通販ショップ、オンライン書店、あとはもっぱらこのブログと、たまに人の気配に接したくなったときROMに行く掲示板がいくつか。どれも締め切りやリミットを含む要素はないので、ある日突然数時間不通になったとしても、自分の操作でどうこうできない回線上の問題で、早晩復旧するとわかっている限りはさほどの不都合はありませんが、ケータイで日常生活上のあらゆることをやっている人が、そのケータイを紛失したり、遠出先で自宅に置き忘れて来たことに気がついたりすると、世界が暗黒に閉ざされたような不安に陥る、という話を聞いたことがあります。
“混み合っておりますアナウンス”ばっかりのテクニカルサポートに電話かけ続けている間、それならTVをつけてみようか、ラジオもNHK第一辺り回してみようかというところにまったく思いが到らないというのは、月河もすでに思考のネット喫水線がかなり上がってしまっているのかもしれません。最もアナログで頼りになる通信・情報収集手段だったはずの据置電話まで、何かと脆弱な光ファイバーインターネット回線に切り替えたのは尚早だったかな?とも考えてしまいました。
『麗わしき鬼』が盛り上がっている東海昼ドラに、昨日は次期・7月からの新作『金色の翼』の情報が。ここの枠の情報はまずサンスポ芸能と東京中日スポーツの2紙が先行するようです。
05年『危険な関係』、06年『美しい罠』に続く恋愛心理ミステリー三部作の完結篇、という位置づけになる模様。
英国の作家・ヘンリー・ジェイムズの小説「鳩の翼」が原作。舞台は東京の南の海上に浮かぶ小さな孤島のホテル。飛行機事故で夫の日系ブラジル人の大富豪を失い、遺産を得た修子は、金の束縛から自由になろうと島のホテルに滞在。一方、修子の事情を知ったホテル従業員・槙は恋人と修子の財産を奪おうとたくらむ。宿泊客らも怪しい動きを見せ、修子に夫殺害疑惑が浮上する中、事件が発生する。(東京中日スポーツより)
疑惑の女相続人役に東海枠初登場の国分佐智子さん。ホテル従業員役に『美罠』の高杉瑞穂さん。その恋人役に『愛のソレア』の肘井美佳さん。肘井さんに関しては、月河は『仮面ライダー剣』の悪女キャラ蘭アンデッド、さらには『牙狼』の巻き込まれ覚醒ヒロインの印象がいまだ深いのですが。
『美罠』メンバーからは剣幸さんも共演の予定で、高杉さんの“財産狙い”といい、何やら逐一『美罠』から平行移動お引っ越しみたいな作品にならなければいいけどな…と一抹の危惧も。
三部作と銘打っているところからして、脚本も前2作同様金谷祐子さんの筆になるのでしょうが、1人の作家が同じ路線で続けて書けるのは3作が、もともと限度。
あふれる着想を1本には盛り込み切れず、ここでこんなキャラを加えたいこんな小味もつけたい…という焦れったくこぼれた部分を掬い取って成るのが2本目。3本目は前2作ではできなかった“引き算”を覚えて、もっとも完成度が高くなりますが、作家のクリエイティヴィティのピークは実は「あぁ物足りない、あれもこれも書きたかったのに書ききれなかった、この次こそ!」とウズウズしまくっている“1本目執筆の終盤”だったりするのです。これは脚本家さんだけではなく、プロデューサー、演出家、美術・衣装など、製作に携わるスタッフさんすべてにあてはまると思います。
今回発表されている概要の範囲内で、ひとつ期待を持てるのは、原案のH・ジェイムズ『鳩の翼』が、女2人に男1人の複雑な心理のあやを扱ってはいるけれども、財産狙いや殺人疑惑のサスペンス要素は含まない作品だということ。
前作『美罠』で原案になったアルレー『わらの女』がコテコテのミステリ古典で、製作発表当初は、あの手垢つきまくりなお話をどうやって60話以上もの長丁場帯ドラに?と思ったものでしたが、“ガチの完成品としてミステリ仕様”でない作品を基にしたほうが、かえって作家の着想力でミステリ味のホンへと換骨奪胎しやすいと思います。『危険な関係』での、ラクロの書簡体小説の見事な料理のしかたを見る限り、金谷さんはそういう書き方が合っていそう。
前作に引き続き“使用人”役の高杉さんも、サンスポ芸能のスチール写真を見ると、今度はヒロインを操るほうより、翻弄されながら学習して行く下積みキャラな印象も受けます。
“観る人はほとんど『美罠』好き”という重圧を背負って、承知の上であえて打ち出した企画。上等じゃないか。お手並み拝見といきましょう。
進行中の『麗わしき鬼』は、気がつけば昨日33話からのヒロイン成人篇で、OP映像も少し変わっていましたね。Wヒロイン顔出しスチール入り。美しい映像なんですけど、コレ途中から観る人にとっては、「レ、レズドラマ?(汗)」と引いてしまうんじゃないかしらん。1話から観ている者にとっては、「あぁ、何とかしてこの姉妹、道は分かれても理解し合って仲良く暮らせる結末になってほしいな」という気持ちに自然となれる映像ですが。
高校生篇ではちょっとヴィジュアルや声のトーンに無理が隠せなかった金子さやかさん、29歳と実年齢に近い年齢設定までこぎつけて、あんまり敏腕とか切れ者感はないものの、仕事熱心で愛嬌もある女医にちゃんと見えてきました。12年飛びましたからねぇ。『新・風のロンド』での少女夏生から大人夏生が13年だったかな。少女子役さんを使うべきだったか、大人役を演じる女優さんの前倒しでよかったのか、判断の分かれるところですね。
夏生は13歳から26歳へのジャンプだったので、さすがに小沢真珠さんが初潮前の少女を演じるわけにはいかなかったのでしょう。13歳担当藤澤志帆さんは演技的にとても達者で頑張ってくれたのですが、26歳以降担当の小沢さんとあまりに顔のつくりが違うので、ドラマのつながりとしては、角張った石をムリヤリ丸呑みにしたような感はありました。長尺のフィクションの映像化は本当に難しいハードルがいくつもあります。まぁ、長尺ゆえに、途中でしくじっても小さめのしくじりなら、話数が進むにつれ視聴者も忘れてくれるわけですが。
初登場時はメガネの小生意気なクソガキだった啓子の連れ子・太郎が、『魔弾戦記リュウケンドー』の山口翔悟さん扮する気だてのいいフレッシャー医師に成長して再登場。あの母親に育てられたわりには素直で真っ当な若者で、TVの前の奥様・ママさんたちの人気どころになりそうです。洵子とは血のつながりはないだけに、どこかで一回、“男”になって迫る場面があるんだろうなぁ。『偽りの花園』のスナちゃん(平松ゆたかさん)の夜這いみたいに、笑って流せるシーンになるほうが、山口さんの持ち味に合っていると思うけど。そんな先の心配してる段階じゃないか。
交通事故で緊急搬送されてきた患者として、『偽花』の松田賢二さんも今日から参入。もう、どうしてくれようってぐらいのサービスの濃密さです。