イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

人喰い・美味食い

2007-05-21 21:37:45 | CM

『ハンニバル・ライジング』上下(新潮文庫)を購入。

最近なかなか街の本屋さんの棚をゆっくり物色する至上の時間を持てないので、本、特に海外小説はタイトルと雰囲気でコレと思ったら速攻買うのですが、今度ばかりは数分迷いました。00年の『ハンニバル』で「こんなモノを『羊たちの沈黙』以来12年間も、首を長くして待ってたのか!?」と自分に対する怒りさえ湧いてきて、もう金輪際このシリーズは読まないし映画も観ないぞ、と心に誓った苦い経験があるので。

00年という年自体をいま振り返っても、“『ハンニバル』に失望かつ立腹した”以外何ひとつ思い出せないほど。

節度のかけらもないペダンティックたれ流しで、作者の自己陶酔と映画化タイアップギャラとの取引の産物としか思えない、こけおどし見せ場てんこ盛りのブッたるんだ内容もさることながら、訳文に品がないのがイヤだったんですね。「~みたいな」「~みたいに」を濫発する修飾フレーズ。「~のように」「~であるかのごとく」「~とでもいったふうに」など幾つも選択肢があり、明らかにより適切な語が他にあると思える箇所が、軒並み塗り潰したように「~みたいな」。生硬と言う向きも多いけれど、月河は同じ新潮文庫の『羊たち~』の訳文のほうが断然好きでした。なんとなく、行間・ページ間に、北国の朝まだきを思い出させるさむざむとした空気が漂っているんですよね。それゆえにレクター博士のみならず、善玉悪玉、主役脇役、すべての人物が青黒い影を帯びて見えてくる。

『ハンニバル』は総じてイタリア、特にフィレンツェを舞台に進む話なので、それも相性が悪かった一因かもしれません。

それでもまぁ、久しぶりに本屋さんの店頭に立ったとたんに、“ハンニバル”の文字に出会うと「呼ばれちゃったか」という天運に近いものを感じてしまう。カバー袖の“主要登場人物”をさらっと見るとリトアニア、パリ、ソ連…おぉ、待望の“さむざむ感”が匂うではないか。カバー裏の内容紹介にもナチス、バルバロッサ作戦、ソ連軍とドイツ軍の戦闘…月河の大好きフレーズがキラ星の如くこちらに囁きかけている(弱)。

結局陥落してレジへ。上巻246頁、下巻250頁というヴォリュームも一冊ずつ持ち歩くのに手頃。外出の途中で上巻読み終えちゃいそうだから下巻も持って出るか…というとき、ともに分厚いとかさ張ってしょうがないですからね。

なんだかんだ言っても、上巻読み進めながら「コレ終わってもまだ下巻がある」という充実感って、小説読み好きにはこたえられないんだな。何年か前の所ジョージさんのジャンボ宝くじのCM「一億使ってもまだ二億」の世界ですか。これが全5巻とか6巻になると、充実感というより閉塞感に近くなってしまうのですが。

帰宅して『美味(デリシャス)學院』第8話をリプレイ。そっかー、マシュー(三浦涼介さん)には美人のお姉さんがいたのね。写真が心なしか、三浦さんのリアルママ・純アリスさんのお若い時分に似てましたよ。没収したあの写真に心乱されたせいで土方(河合龍之介さん)のパスタ茹でのタイミングが狂い、勝負は接戦になったんだけど、マシューはそれに気がついていないわけだ。マシューの勝ちにしてあげてもよかったような気もするけど、勝ちより大きなものを彼はつかんだ、ということなのね。

高杉凛役・相葉弘樹さんが回を追うごとによくなってきてます「飾るよ?(←やわらかーく半疑問形)」もいいけど、あの前触れも必然性もなくいきなり来るカメラ目線がいいんだよね。相葉くんも、演じながら「そうか、こういうふうにやればこれぐらいカッコいい(orおもしろい)のか」という手応えがつかめてきている様子。あと、似たようなルックスレベルの若手イケメンくんが複数集まると、若手ゆえ微妙な個性とか演技のギミックで差別化できる段階ではないので、とりあえず注目を惹くことにおいて“背が高い”ってのはやっぱり有利かも。

次回の沖田(永山たかしさん)とのデリシャスバウト餃子対決が楽しみです。ギョーザにレインボー・デコレーションの出番はあるのかな。

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銀色のドレス

2007-05-20 20:06:15 | テレビ番組

15日夜、NTT東日本のインターネット障害に気がついてアワ食ってる間、OCNテクニカルサポートのフリーダイヤルがあまりにも延々「混み合っておりますおかけ直しください」ばっかりなので、苦しまぎれにFAXサービスにかけて〔情報BOX3001:インターネット接続〕の一覧表を引き出してみました。

2枚にわたる情報BOX番号リストが出てきましたが、パーーッと見渡して、速攻放り投げました。役に立たんわ。

ダイヤルアップ・ADSL・光Bフレッツと接続環境ごと、XP・98・Me、MacOS X、8.5、8.6、9とOSごと、IP電話(ドットフォン)、ブラウザ・メールなど設定したい機能ごとに接続方法・接続ウィザード・接続ツール各々東日本用・西日本用と細かく項目が立ててあって、対応する4桁のBOX番号と、それがFAX何枚になるかを示してあります。

知りたい項目のBOX番号を押して取り出して参照してください…ってことなんだろうけど、あのねぇ、イチから接続立ち上げたいわけじゃないのよ。そうしなきゃいけない状況なのか、どうなのかを知りたいの。

9日にWindows updateが止まってしまったとき、それより前4月にSymantec社のNorton AntiVirus 2007が突然ライセンス切れ表示になったときもそうでしたが、ネットで異常事態が起きたとき、「どこがどうなったことが原因なのかわからない」というのがいちばんの不安材料なのに、レディメードのパッケージで提供される情報はそこをすっ飛ばして、まっさらの状態から「ここをこうすればこうなりますよ」「次にこうすれば今度はこうなりますよ」というものばかり。

まぁブラウン管TVが故障したって、ラジカセが動かなくなったって、的確に原因突き止められるほどメカ知識持ってるわけじゃありませんが、それでも「ここをこうすればこっちは作動するから、イカれてるのはここの接触じゃないかな」「じゃあここを交換すれば動きそうだな」ぐらいの見当はつきます。それに比べPC、特にネットは、本当にブラックボックス。普通に動くか、まったくダメでわけわからんかのどちらか。

“有事の際は「ひたすらわからん」という状況を覚悟し慣れる”という心構えもネットユーザーには必要なようです。

さて優駿牝馬オークス、「あんだけ色白なら馬群のどこに居ても目視できるわ」と思ったアドマイヤスペース浮上せず後方ママ。もう1頭、グレーなほうのお嬢さんローブデコルテが差し切ってくれました。気がつけば芦毛のオークス馬は史上初なのね。じゃあ月河は芦毛のワンツーを狙ってたことになるのか。そりゃ嵌まらないわなぁ。でもローブデコルテが、大混戦の中の5番人気にしては単1,130円、複310円と思ったよりつきました。

Cozzene産駒はマイルまでのイメージが強いのですが、月河はどうしても、アドマイヤコジーンの02年覚醒・東京新聞杯、某専門紙のTVCM映像にも使われた再開花・安田記念が忘れられず「距離云々より、東京なら買える」という気がして仕方がなかったんです。母父Seeking the goldの日本活躍馬シーキングザパールの97年NZT、NHKマイルカップの勝ちっぷりも忘れられない(その後安田記念では98年10着、99年3着と負けてますが、まぁ、3歳戦限定で東京得意ということで)。東京芝マイルでGⅠ勝ち切れる血は、東京芝なら条件問わず、必ず一発の可能性を孕んでいる。

結果的には吉と出ました。2:25.3というオークスレコードの時計決着もプラスになった様子。

WINSの画面ではスローを待たずぎりぎり差し切ったのがわかりましたが、帰宅して『スーパー競馬』の録画を見ると本当に微妙だったんですね。ゴール直後は秋山ベッラレイアのほうを映していたカメラも、向こう正面から引き揚げてくるときには福永ローブにフォーカス。福永騎手のリアクションが徐々に「スロー再生…勝ってるかなぁ?勝ったよな?1着だよなローブ、お疲れ(首ポンポン)」「(長谷川、鮫島くんたち後輩に「写真出ましたよ」と言われて)オレ?マジ?やったよ!(ステッキ振り上げガッツポーズ)」と、みのもんたさんの声でアフレコつけたいぐらいわかりやすいのなんの。

インタビューでも「かわしたと思ったけど最後までわからなかったんで、芝から帰ってきて間違ってたらカッコ悪いから、ダートから帰ってきました」って言ってましたね。絶対勝ってると確信持てる着差でなかったら、芝でウィニングランはできないもんね。確信持って、ウィニングランやって、ガッツポーズでスタンドにゴーグルもゴーグルカバーもステッキも洗いざらい放り込んでファンサービスして、帰ってきたら斜行取られて降着、なんて騎手もいたっけ。

「新・オークス男です」まで言っちゃったよ。来年からのオークス、何に乗ってもますます人気になっちゃうじゃん。いま考えると去年のフサイチパンドラの3/4馬身がもったいなかったかな。勝ってれば4年連続だったのに。でも去年負けてるからこそ、今年差し届いたのかもしれない。

新オークス男。1文字変えると新大久保男になるけど。意味ないか。おめでとう祐一っちゃん。地元帰ったらとりあえず祇園で豪遊かな。

ところで“旧”は誰だっけ。忘れちゃったじゃないか。

贔屓のマヤノトップガン産駒ハロースピードも、自身近来まれに見る好発から2番手キープで、直線入っても意外なくらい圏内に踏ん張ってくれました。応援で連複からめましたがこちらは散って悔いなし。

その分同じトップガン産駒メイショウトウコンが中京GⅡ東海ステークス、幸四郎くんの思い切りのいい内枠後方待機→豪快大外出しで測ったように差し切って埋め合わせ。直線短い中京ですが、こういう競馬は「直線まだ終わるな、ゴール板来るな」と思ってしまいますね。これもまた単560円、複220円とあなどれないつき方。てっきり1番人気だと思っていたら、2番人気でした。だから勝てたのかな。トップガンの仔たち、どうもアタマに推されると座りが悪いんで。

とは言え連勝ワイドはぜんぶガミったので、たこ焼きと太巻き買って帰ったら消滅するぐらいしか浮きませんでしたが、来週は日本ダービー。今日頑張った同級生たちから「ワタシたちのレベルの高さを証明してやってね!」の声援を受けて、紅一点ウオッカも頑張れ。馬券は別にして(別にするのかい)。

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水飲み機

2007-05-19 18:28:39 | テレビ番組

爆笑オンエアバトル』も気がつけば99年スタートですから、もう、世紀を跨いでまる8年やってるんですね。その間、もちろんこの番組でネタに磨きをかけ認知度を高めて世に出て行った芸人、ユニットも数多い反面、03~04年頃の、いま思えばピークの非常に短かった、民放番組主導の“お笑いブーム”の最中はどっちかというとカヤの外だった感が。

一方“ネタ見せは義理程度で、結局は受けた芸人をバラエティの賑やかし役に引き抜いて使い捨てるだけ”が露骨な民放のお笑い番組もすぐ飽きられ、その中でブームの前も後も頑固にフォーマットを変えなかったことで『オンバト』は逆に生き残ってきました。

しかし、アンジャッシュもアンタッチャブルもタカアンドトシも力量通りの成績を上げて卒業勝ち抜けしてしまったいまとなっては、正直“マツイもイチローも松坂も、井川までメジャーに行っちゃった後、目玉が田中マーくんぐらいしかいなくなった日本プロ野球”のような眺めを呈しています。しかもマーくん楽天だし、みたいな。

昨日(18日24:10~)のオンエア組では、唯一のオーバー500を出したハマカーン、さすがに現状の“負け残り組”の中に入ると抜群の安定感。序盤・中盤・終盤とダレなく笑いのピークが嵌め込んであるし、何よりこのコンビ、ボケはボケ切り、ツッコミはツッコミ切っている。この当たり前のことができず「!!…ムニャムニャ」→(語尾かぶって)「!!…ムニャムニャ」の繰り返しになっているコンビ・ユニットが最近目について仕方がないから。

それにしても今日のネタで505キロバトルは玉入り過ぎでしょう。彼らの実績と当日のメンバーを考えたら460くらいでいいと思う。「チャンピオン大会帰りの彼らには、これくらい断トツの存在であってほしい」という会場の希望値かな。

この日2位オジンオズボーンも、どう考えても497キロバトルは取り過ぎ。やはり会場審査員が、「お馴染みくんたちに、なるべく玉入れてあげたい」という次期ブレイカー待望ムードにあるんだろうな。童顔と勢いで好感度は高いものの、やっぱり「こう言うたら何ナンズツ(何なんです)けど」「早めのシュズツ(=手術)」「レッツボーリ(=ボウリング)」など、特にボケ篠宮が発声・滑舌的にボケ切れていないフレーズが気になる。勢いが売りなら、語尾ヘタれちゃいかんだろう。隅々まで勢い行き渡らせていこうよ。

こちらもチャンピオン大会帰りのエレファントジョンは、ボケ森枝がヴィジュアル的に近いから?アンタッチャブル山崎の芸風で行こうとしているのかな。だったらやめたほうがいいと思う。ツッコミ加藤と、森枝の声質が近似しているので、協奏したとき“山崎のガハハ声&柴田の甲高シャガレ”のアンタッチャブルの味には絶対ならないから。ボディアタック・ヒップアタックも、アンタ並みに“ボケのほうが明らかにガタイがいい”、あるいはその真逆な体格差ある2人じゃないと可笑しさが出にくい。

父の再婚ネタ→突然犯人説得→「要求は…再婚のコントをやってくれ!」「わかった!」のくだりがよかったけど、気がつけば愛知・長久手立てこもり事件が20:00台に収束して、放送時間に影響がなくてよかったね。

この日2連勝のエンジョイワ→クスは初めて見ましたが、結成してどれくらいになるのか、まだコンビが互いの持つ面白さに関して手探りで、漫才の格好にまとめきれていない感じ。ボケ“達っちゃん”関口の“生まれてくる瞬間の田中邦衛”、天使と悪魔の戦いの間の「オ~ケイ」が強烈すぎて、中身の印象があまりなかった。終盤の「やっぱり亀はミドリガメ」「ゼニガメもいるよ」はよく意味がわからなかったけど、関口のヴィジュアルの強烈さに、ネガティヴな拍車かけただけだったんじゃないかな。なぜあえて“亀”持ってくるか。

この日のオンエア組でいちばん異彩を放ったのは末高斗夢でしょう。芸風としてはダンディ坂野的な“滑り芸”“ハズし芸”なんだけど、ガリヒョロな身体で1人で持ちきれないほどのネタ入りバッグを持ち込んでの登場姿でもうだいぶ持って行きました。何よりこの人、声が出てるんだな。受けようがすべろうが、最後まで言い切れてるんです。

「この30秒地獄でした」「ホラ戻った」「さぁ楽しくなってきた」等のひとり合いの手もさることながら、合いの手を言った後に聞こえるか聞こえないかの付録のようにつける「こんなに大きいのに、ねぇ」「内緒にしといてください」等の“合いの手の合いの手”が面白い。ミズノミキはバッグから出したときのガサの、まさかの大きさが笑えました。「落札価格5,000円」で会場から「え~(同情)」の声が上がったのも笑ったな。

で、冒頭の「おっ玉下駄~」で思い出したんだけど、この人、この番組では初見だったものの、昨年の昼ドラ『偽りの花園』でスナちゃんネタ見せの場面で相方役で出てましたね。そうか「当時の浅草で受けるかどうかギリギリ」というところを買われてあの役に抜擢されたのか。現役の芸人としては痛し痒し。痛し痛しか。

スベリ、スベリ、受け、の三拍子みたいな間に挟むクチ三味線「♪すえたかとぉむ~」が往年の早野凡平さんの帽子トランスフォーム間の「♪はっや~のぼんっぺ~」を思い出させました。ここまでアナクロに徹すると、滑り芸もいっそ新鮮ではありますが、やはり何度も演って飽きられることなくコンスタントに好得点というタイプの芸ではないし、チャンピオン大会進出してセミファイナル→ファイナルで新ネタ連打もキツそう。平均400行くか行かないかの低~中空飛行で、他の組の得点次第でたまさかオンエア、ぐらいのポジションがいいところかも。たぶん、ネタ終了後、バッグにネタ戻して撤収するときに、いちばん会場が沸いてるんじゃないかな。

新年度からの司会神田愛花アナもだいぶ慣れてきたようだけど、敗者コメント終了後の『今日のオンエア』は本当に要らないな。メガネっ子萌え狙いみたいな女教師風コスプレが邪魔だし、この人は内面のモティヴェーションが表に出にくいタイプと言うか、ぶっちゃけ、ゴムっぽい顔をしているので、何言っても「言わされてる」感が漂う。もう少しくだけて、早く塚原愛アナぐらいの“ツッコんでるつもりで芸人にイジられトーク”ができるぐらいに成長してほしいものです。

さて、今夜は優駿牝馬オークスの検討ナイト。ウオッカ(ダービー出走)、ダイワスカーレット(感冒)の回避で、こんだけどこからでも狙えるGⅠも年間そうはないなってぐらいの混戦になってしまいました。現時点では、長い低迷から東京で息を吹き返したアドマイヤコジーンの娘で、同じく東京得意のトニービンを母父に持つアドマイヤスペースを重視したいのですが、前走も前々走も平場の減量起用なので、今回一気に負担重量が4キロ増になるのが気がかりです。

同じ父系で芦毛仲間のローブデコルテのほうを厚く行っとくか。月河は“牝馬はデカ、牡馬はチビ”が好きなので、本当は出走18頭中唯一520~530キロ台をキープしている爆弾ボディ・ザレマに勝ってほしかったのですが、タネ…いやヤネが武豊になっちゃったしなぁ。前のレースで落馬して乗り替わってくんないかな。

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できすぎだよ

2007-05-18 20:43:37 | CM

「降水確率99%って聞いたことねーよ!!」

…いつも笑かそうとしてんだか神経逆撫でしようとしてんだか、ゴチョゴチョこそばゆいヴァージョンの多かった“ファブリーズ”のCMが珍しく突き抜けてます。いつも昼ドラ留守録VTRの再生時CMはぜんぶ早送りしてしまうのですが、見間違えようのない寺島進さんの顔に思わず手が止まって見直してしまいました。

臭い消し系のCMって、これこそ狙ってるのか、“さわやか”とか“清浄感”と対極にある、濃くてクドめなイメージのタレントさんをあえて起用する傾向は前からありましたね。寺島さんに来たか。まさにジャストミート。月河は『富豪刑事』以来贔屓なんですが、一瞬のアップだけでオッと画面に注目が向く、それだけの力を持ってる顔だもんね。

「ちょとカビくさいよ」と奥さんに掴まれてるジャケットがまた、胸ポケにエンブレムがついてるとこからみて本日開店のインテリアショップのユニフォーム、という設定らしいんだけど、パジャマぐらいぶっといヤクザストライプのピークドラペル。もう、まんま『富豪』の布さんキャラ。

そう言えば最近は、洗剤のCMも昔のようなエプロンの若奥さんと女の子が青空バックににっこりパターンではなく、男性タレントさんの進出が目立ちますね。それも、“アンチさわやか”系の。“ボールド”なんか玉山鉄二さんだけが独走さわやか担当で、共演は格闘技の武蔵選手から始まって、いま思い出せるだけでも嶋大輔さん、にしきのあきらさん、藤岡弘さん、宇梶剛士さん、安田大サーカス、浅草キッド…と、なんか“暑苦しいイメージの男性タレントと言えば?”の連想ゲームで起用してるみたい。

“コレくらい暑苦しい汗臭い野郎らの着た物でも、ウチの製品なら真っ白さわやかいい香りに洗えますよ”ってことを言いたいんだろうな。

ところで、確かに降水確率99%ってなぁついぞ聞きませんね。1%刻みで発表すること自体ないと思うけど。100%という発表は過去何度かTVの予報画面で目にしたことがあります。雨の降らない可能性がビタ一文ないと言い切ってるわけだから、ある意味、勇気ある予報だなと思いました。CMの寺島さん夫婦は結婚記念日が梅雨の真っ最中なのね。ジューンブライドに憧れて挙式した皆さんは、生涯、結婚記念日の降水確率が高い状態が続くわけか。

麗わしき鬼』本編のほうは、洵子がシェリー水上に押し倒されてあっさり陥落、一夜明けたらもう結婚する気満々。富弓に紹介して“鬼”にまで連れて行き、「養子に来てくれるのヨン」なんてのろけてる始末。

水上がまた、「庶民的なお母さんですね、だから洵子さんも気どらない性格なんでしょうね」「ボクのおふくろだったら、こんな(水)商売なんか絶対やらせない」「新婚旅行に母親を連れて行くって話、こんな可愛いお母さんならわかりますよ」とかオマエ小児科の医者よりホストか宝石商になれ!ってくらいクチがまわるまわる。昨日ヤツがみずから「ボクがペラペラしゃべるときは、決まって強迫観念のようなものが胸の中にある」って言うのを聞いたばっかりなのに、「ハラにイチモツあるはず」と微塵も思わない洵子も洵子なら、富弓も「まぁ~良かったわねぇ洵子、思いやりのある人で」なんてコロッと持っていかれてんの。この人、設定57歳、何度も男に酷い目に遭わされてるのに、言い寄る男を警戒するってことを全然学習してないのね。連鎖する遺伝子。

元スネークオルフェノク唐橋充さんの、甘い言葉もみちるの店でのぶっちゃけ話も、同じ冷たい目で顔色一つ変えず、水が流れるようなテンションで言い放つセリフ回しがなんだか怖い。本当に本音がどこにあるのかわからない感じ。そうしてみるとスネーク海堂は熱っつかったよなぁ。

再婚後の啓子が、出てくるたび若妻風エプロン姿で、ポケットにミニブラシ、ミニはたきを常にしのばせ、ピンクの手袋はめて趣味みたいに家中を掃除して歩いているのが愉快。啓子のような高学歴キャリア志向、上昇志向の女性が、結婚すると「なんだ、いままで男社会のタテ組織で、女性であるばっかりに頭押さえられてきたけど、主婦なら自分がトップで万事牛耳れるじゃん」と気がつき、もんのすごいモティベーション高い専業主婦に豹変、ってのはよく聞く話です。旦那が甲斐性なしだったらすぐイヤになるんでしょうけど、英矢みたいな総合病院長級の開業医とか、弁護士とか代議士とかサラリーマンでも役員クラスとか、“ステータスが高くて家庭のことは顧みる暇がない”ような職業だと、元・バリキャリ夫人燃える燃える。こういう女性に限って、結婚したら「女性の負担軽減のため、夫も家事分担を」なんてことはビタ一文クチにしません。「ワタシが仕切ってるんだから手出さないで!」ってなもんです。

啓子は「自立した女性は恋愛も自由になさっていいのよ」か何か言いながら、洵子を英矢と敵対させて、ゆくゆくは自分の実子・太郎に跡目が転がり込むように仕向けたい様子。でも太郎はひそかに洵子姉さんLOVEですからね。いよいよドロドロしてきそうです。

コメント (2)
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シェリーでくちづけ

2007-05-17 21:13:45 | アニメ・コミック・ゲーム

15日夜のNTT東日本インターネット障害に関して、昨日の朝刊に詳しい報道がありました。東京23区と千葉、神奈川、埼玉以外の関東甲信越、東北・北海道の広範にわたり、復旧には16日未明までかかったとのこと。ウチは23:00過ぎには回復していましたから、比較的軽傷なほうだったのかも。月河は、PCの機械的不調なのか回線上の問題なのかがわからないという不安を除けば、ブログの続きが書けないくらいの被害ですみましたが、ネットオークションに参加して締め切りが迫っていた人などはかなりパニクったようです。これに人口の多い東京23区が巻き込まれていたら、もっと甚大な影響があったでしょう。

月河の接続は集合住宅タイプの光withフレッツで、加入時に据置電話もひかり電話に切り替えたのですが、後から考えて不思議なのは、OCN会員テクニカルサポートのフリーダイヤルに、電話はつながったんだよなぁ。新聞報道では「ひかり電話からは119番・110番等の緊急通報もできなくなった」とあるんだけど。

ネットはつながらない、電話もつながらない、なんてことになったら、パニックなんてもんじゃないね。表に飛び出して「だだっ誰か助けてくださーーーい!!」って“ひとりセカチュー”になっちゃうな。PCは月河がときどき検索頼まれて画面見せる以外触れたこと無し、留守電・FAXの操作すら何度教えても次に使う時には忘れているスーパーアナログ高齢家族は、「何をさっきからソワソワ何度も電話してはかけ直してるのか」と不思議がっていたみたいだけど。

月河はネットはウェブ検索が大半で、たまに利用する2~3の通販ショップ、オンライン書店、あとはもっぱらこのブログと、たまに人の気配に接したくなったときROMに行く掲示板がいくつか。どれも締め切りやリミットを含む要素はないので、ある日突然数時間不通になったとしても、自分の操作でどうこうできない回線上の問題で、早晩復旧するとわかっている限りはさほどの不都合はありませんが、ケータイで日常生活上のあらゆることをやっている人が、そのケータイを紛失したり、遠出先で自宅に置き忘れて来たことに気がついたりすると、世界が暗黒に閉ざされたような不安に陥る、という話を聞いたことがあります。

“混み合っておりますアナウンス”ばっかりのテクニカルサポートに電話かけ続けている間、それならTVをつけてみようか、ラジオもNHK第一辺り回してみようかというところにまったく思いが到らないというのは、月河もすでに思考のネット喫水線がかなり上がってしまっているのかもしれません。最もアナログで頼りになる通信・情報収集手段だったはずの据置電話まで、何かと脆弱な光ファイバーインターネット回線に切り替えたのは尚早だったかな?とも考えてしまいました。

『麗わしき鬼』が盛り上がっている東海昼ドラに、昨日は次期・7月からの新作『金色の翼』の情報が。ここの枠の情報はまずサンスポ芸能東京中日スポーツの2紙が先行するようです。

05年『危険な関係』、06年『美しい罠』に続く恋愛心理ミステリー三部作の完結篇、という位置づけになる模様。

 英国の作家・ヘンリー・ジェイムズの小説「鳩の翼」が原作。舞台は東京の南の海上に浮かぶ小さな孤島のホテル。飛行機事故で夫の日系ブラジル人の大富豪を失い、遺産を得た修子は、金の束縛から自由になろうと島のホテルに滞在。一方、修子の事情を知ったホテル従業員・槙は恋人と修子の財産を奪おうとたくらむ。宿泊客らも怪しい動きを見せ、修子に夫殺害疑惑が浮上する中、事件が発生する(東京中日スポーツより)

疑惑の女相続人役に東海枠初登場の国分佐智子さん。ホテル従業員役に『美罠』の高杉瑞穂さん。その恋人役に『愛のソレア』の肘井美佳さん。肘井さんに関しては、月河は『仮面ライダー剣』の悪女キャラ蘭アンデッド、さらには『牙狼』の巻き込まれ覚醒ヒロインの印象がいまだ深いのですが。

『美罠』メンバーからは剣幸さんも共演の予定で、高杉さんの“財産狙い”といい、何やら逐一『美罠』から平行移動お引っ越しみたいな作品にならなければいいけどな…と一抹の危惧も。

三部作と銘打っているところからして、脚本も前2作同様金谷祐子さんの筆になるのでしょうが、1人の作家が同じ路線で続けて書けるのは3作が、もともと限度。

あふれる着想を1本には盛り込み切れず、ここでこんなキャラを加えたいこんな小味もつけたい…という焦れったくこぼれた部分を掬い取って成るのが2本目。3本目は前2作ではできなかった“引き算”を覚えて、もっとも完成度が高くなりますが、作家のクリエイティヴィティのピークは実は「あぁ物足りない、あれもこれも書きたかったのに書ききれなかった、この次こそ!」とウズウズしまくっている“1本目執筆の終盤”だったりするのです。これは脚本家さんだけではなく、プロデューサー、演出家、美術・衣装など、製作に携わるスタッフさんすべてにあてはまると思います。

今回発表されている概要の範囲内で、ひとつ期待を持てるのは、原案のH・ジェイムズ『鳩の翼』が、女2人に男1人の複雑な心理のあやを扱ってはいるけれども、財産狙いや殺人疑惑のサスペンス要素は含まない作品だということ。

前作『美罠』で原案になったアルレー『わらの女』がコテコテのミステリ古典で、製作発表当初は、あの手垢つきまくりなお話をどうやって60話以上もの長丁場帯ドラに?と思ったものでしたが“ガチの完成品としてミステリ仕様”でない作品を基にしたほうが、かえって作家の着想力でミステリ味のホンへと換骨奪胎しやすいと思います。危険な関係』での、ラクロの書簡体小説の見事な料理のしかたを見る限り、金谷さんはそういう書き方が合っていそう。

前作に引き続き“使用人”役の高杉さんも、サンスポ芸能のスチール写真を見ると、今度はヒロインを操るほうより、翻弄されながら学習して行く下積みキャラな印象も受けます。

“観る人はほとんど『美罠』好き”という重圧を背負って、承知の上であえて打ち出した企画。上等じゃないか。お手並み拝見といきましょう。

進行中の『麗わしき鬼』は、気がつけば昨日33話からのヒロイン成人篇で、OP映像も少し変わっていましたね。Wヒロイン顔出しスチール入り。美しい映像なんですけど、コレ途中から観る人にとっては、「レ、レズドラマ?(汗)」と引いてしまうんじゃないかしらん。1話から観ている者にとっては、「あぁ、何とかしてこの姉妹、道は分かれても理解し合って仲良く暮らせる結末になってほしいな」という気持ちに自然となれる映像ですが。

高校生篇ではちょっとヴィジュアルや声のトーンに無理が隠せなかった金子さやかさん、29歳と実年齢に近い年齢設定までこぎつけて、あんまり敏腕とか切れ者感はないものの、仕事熱心で愛嬌もある女医にちゃんと見えてきました。12年飛びましたからねぇ。『新・風のロンド』での少女夏生から大人夏生が13年だったかな。少女子役さんを使うべきだったか、大人役を演じる女優さんの前倒しでよかったのか、判断の分かれるところですね。

夏生は13歳から26歳へのジャンプだったので、さすがに小沢真珠さんが初潮前の少女を演じるわけにはいかなかったのでしょう。13歳担当藤澤志帆さんは演技的にとても達者で頑張ってくれたのですが、26歳以降担当の小沢さんとあまりに顔のつくりが違うので、ドラマのつながりとしては、角張った石をムリヤリ丸呑みにしたような感はありました。長尺のフィクションの映像化は本当に難しいハードルがいくつもあります。まぁ、長尺ゆえに、途中でしくじっても小さめのしくじりなら、話数が進むにつれ視聴者も忘れてくれるわけですが。

初登場時はメガネの小生意気なクソガキだった啓子の連れ子・太郎が、『魔弾戦記リュウケンドー』の山口翔悟さん扮する気だてのいいフレッシャー医師に成長して再登場。あの母親に育てられたわりには素直で真っ当な若者で、TVの前の奥様・ママさんたちの人気どころになりそうです。洵子とは血のつながりはないだけに、どこかで一回、“男”になって迫る場面があるんだろうなぁ。『偽りの花園』のスナちゃん(平松ゆたかさん)の夜這いみたいに、笑って流せるシーンになるほうが、山口さんの持ち味に合っていると思うけど。そんな先の心配してる段階じゃないか。

交通事故で緊急搬送されてきた患者として、『偽花』の松田賢二さんも今日から参入。もう、どうしてくれようってぐらいのサービスの濃密さです。

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