林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

端唄の余韻

2006-11-26 | 歌の翼に

 
銘木・鶯宿梅

端唄の会に名山さんと一緒に招待された。実は一ヶ月も前からウキウキしていた。
森男は城西大学公開講座の修了式を抜け出し、名山さんは東京での所用を早く切り上げ、開場前に到着した。
ルンルン。

招待してくれた方は、以前所沢の古い商家で、森男たちに端唄を合唱させた鶯谷麗華さんだ。長山藍子さんをもっともっと(もっと)優しく若くした感じ。

    長山藍子さん

端唄の会を知らされた時、有料らしいので断るつもりだった。
小泉自民公明党の所為で、年金減税金社会保険増で、立派なホリデイプアだもんね。
しかし、そこは百戦錬磨の森男たち、ダメモトと無料招待扱いになるよう事を運んだのだ。

会場はお座敷かと思っていたら、仏子駅近くの住宅街の小さな喫茶店だった。
お客は老若男女30人ほど。
会場は足の踏み場もない混雑になって、とても半端、いや端唄の雰囲気じゃない。
ケーキと珈琲が出たが、こぼすといけないので、大急ぎで腹に入れて片付けた。

出演は中年以上のお母さん5人。
お世辞抜きの麗人ばかり!     
手土産のお菓子を献上する時、あがってしまって、相手を間違えるほどの美しい方ばかりだ。


唄が2人と三味線担当が3人。
所沢では弾き唄いだった麗華さん、今日は唄専門である。
一番若いようだが、50かな? 40代じゃないだろう。

女優の嵯峨美智子(古いね)に似た家元鶯谷麗さんは、唄専門。
もしかすると70を超えているかもしれないのに、あでやかで、声に張りがあった。

    嵯峨美智子さん

森男たちは、着物をお召しになったご婦人に弱いのだ。

三味線の3人も、みな現役美人(今日の森男は調子が出ないね)。
でも、一寸下手。音が外れたり、調子が揃わないときがある。でも、許す。

三味線の音色は素晴らしい。昔は古臭いと思っていたが、数年前からは好きになった。
今夜は特に好き。唄った端唄は、

       お江戸日本橋、梅は咲いたか、さのさ、三階節、佃流し、その他11曲。

俗曲もあるそうだが、どれが俗曲かは忘れました。
「木やりマンボ」なんてのもあって、まぁ、かなり砕けた端唄の会です。

驚いたのは、嵯峨師匠、「コラボレーション.......」とか言って、「春雨」というしっぽりとした端唄を、ピアノのテープ伴奏で唄った。これが実にいいんですねぇ。
ピアノの伴奏は、情緒纏綿。端唄的発声にまとわり付いて、ショパンより美しい。

    春雨に しっぽり濡るる鶯の

    羽風に匂う梅が香や

    花に戯れしおらしや

    小鳥でさへも一筋に

    寝ぐら定めぬ 気はひとつ

    わたしゃ鶯 主は梅

    やがて身まま気ままになるならば

    さあ 鶯宿梅じゃないかいな

    さあ 何でもよいわいな

三味線は3人で弾くがピアノは1人。
三味線は一寸音程が狂うがピアノはしっかり。
邦楽業界は、こういうその何というか「.....コラボレーション」をもっとやって欲しい。

実は森男たちは所沢の経験から、お客も加わって、手拍子や合唱もあるのかと期待していた。会がはねたら麗華さんとお食事でもと、勝手に空想していた。
ところが、演奏者の皆さん、家元を中心に纏まっているのだ。芸者さんじゃないもんね。
もっとも、芸者さんだったら、プアなこっちから逃げ出すよ。

会場を出る時に、やっと握手だけして、次回も是非と約束しただけだった。

人生は短く、夜は長い。
しかるに何も起きなかったのだ。

お師匠さん、自演のCDを販売していた。
入場は無料だったが、お土産代で頑張っちゃったもんね。だからCDは諦めた。

近所の小洒落たレストランで遅い夕食を撮りながら、チオビタCMの高島礼子さんを絶賛し合った森男たちだった。

CDを買わなかったことを、今、後悔している。
夢を見続ける必要があるのだ。
当てにならないジャンボ宝籤を止めるべきだ。

    高島礼子さん

   061126


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