朝日朝刊連載「語るー人生の贈りもの」の役者・樹木希林編。
生い立ち・癌との共存・ロッケンロールな夫と家族・共演者や役作りのことなど。
始めから面白かったが、最終日15回目が良かった。
75歳。後期高齢者の仲間入りね。
ここまで十分生かしてもらったなぁ、って思います。
私、自分の身体は自分のものと考えていました。とんでもない。この身体は借り物なんですよね。
最近、そう思うようになりました。借り物の身体の中に、こういう性格のものが入っているんだ、と。
ところが若い頃からずっと、我が物顔で使ってきましたからね。
ぞんざいに扱い過ぎました。今頃になって「ごめんなさいね」と謝っても、もう遅いわね。
「人間いつかは死ぬ」とよく言われます。
これだけ癌と長く付き合っているとね、「いつかは死ぬ」ではなく「いつでも死ぬ」という感覚なんです。
でも借りていたものをお返しすると考えると、すごく楽ですよね。
人から見ると、それを「覚悟」と言うのかもしれません。
でも「覚悟」が決まっているということでもない。だからといってグラグラしているわけじゃないわ。
現在まで、それなりに生きてきたように、それなりに死んでいくんだな、って感じでしょうか。
夫の内田裕也では大変な思いもしたけれど、ああいう人と関わったのは偶然じゃない。
殆ど一緒にいなかったけど、縁があったんだろうなぁ、と。
だから内田には「面白かったわ」と伝えているの。
今なら自信を持ってこう言えます。
今日までの人生、上出来でございました。これにて、おいとま致します。
が~ん........。じじぃは頭を叩かれた感じだ。
較べるのもおこがましいが、森生より5歳も若いのに、これは既に、名僧智識の境地ですよね。
記事は切り抜いてある。般若心経の代わりに何度も読み返そう。
そして、お節介かもしれないけど、緩和病棟に移ったしゃもじぃに、写しを届けるつもりだ。
希林さんの最終回のお言葉は、森生が端折りました。最終回は5月28日です。
写真は映画「モリのいる場所」から拝借。
画家・熊谷守一夫人を演じたこの映画ほか、年金をあてにされるお婆さんを演じた「万引き家族」も観たい映画です。
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