初夏の雨のなかで思う一ページ

「初夏」
私の田舎ではもう田植えが終わっている。
雪が少ないいまでも一毛作の土地柄、米が中心で未だにご飯が中心であり、
米の後には蕎麦が作られ、名産のおろし蕎麦の材料になっている。
私はこの蕎麦が大好きで帰省した折には必ず食べている最期の晩餐の一品。
この田植えのされた田圃には大切なこの雨、
町では嫌われ者かな・・・
その雨が、すっかり出揃った木の葉を瑞々しく濡らし、
いい感じに仕上がるのがこの初夏である。

あざみ

夏草の海のざわめき
サラ・・
ザワ・・
小波が草原を駆け抜けていく初夏の風

私の好きな薊
素敵・・・
可愛い
綺麗
そんな感じの花じゃないけれど
魅せられる素朴な一輪
凛とした姿に時めくのは
私だけかも
・・・
深みある紫
鋭い棘
初夏の風のなかで喘いでいる

爽やかに
鮮やかに
風の陽炎にゆれる
初夏の恋花。