母の日に贈る言葉

母の日。
私にとってこの日だけはいつも悔やまれる、ある意味で後悔に駆られる日である。
老いて母に痴呆の症状が出て入院させても回復の兆しもなく悪化の一途になって、やむなく私は自分と家族のためにと思って母を施設に入れて安堵していた。
男は家庭と仕事が優先と一人前のことを言っていた、いま考えるとこの介護の現実は家族の協力なくしてありえないし、自分ひとりでは限界もあるし、理想と博愛では成り立たない。
判っていてもこの現実を突きつけられると逃げたくなるのも事実、
そんな母を施設に入れ金で形をつけ、訪問介護?ということで濁していた私、
いつも母の日が来るたびにこれでよかったのか、いつも懺悔に悔やんでいる。
Mother’ s　Day

いつもこの日が訪れるたびに
思い出される母の言
忘れよう
・・・
そう思っても忘れることの出来ない想いで
母が何時も一人寂しそうに誰かを待っている後姿をみても
何も私は聞けなかった
いや・・・
聴こうとしなかった
家に帰りたい
おまえ連れて行っておくれ
口癖のようにそう言っていた私の母
母さん・・・
いつも望みを叶えられなくて
ごめん
そう思うのが精一杯で
何もしなかった何も出来なかった

私はあなたの息子
しかし母の前ではそう言えなかった
あれほどいつも私のことを心配してくれたのに
五月蠅いな・・・
判っているよ
そうあしらった私
最期の別れに立ち会えず　　
会えたのは冷たくなった骸　
話すことも見送ることも出来ず一人で旅立たせた私
いつもと違う苦い悔し涙に襲われた懺悔の日　

Mother’s Day
私にとってありがとうでなく
ごめんなさい
私がいつも母に送る花束。