笑うかどには福きたる

日常生活で見たこと、聞いたこと、感じたことを牧歌的にのんびりと書いています。

「八つ墓村」(1977) ~怖くて悲しい祟りの物語

2015年08月23日 17時17分50秒 | 映画

ご存知、「祟り(たたり)じゃ~」で一世を風靡した横溝映画でございます。

何度も観ている作品で、その度に「この人は誰の妹? 誰と誰が兄弟? いとこってことは父親には何人兄弟がいるの?」などと、よくよく考えれば筋とは何の関係もない部分で盛り上がるのですが、渥美清扮する金田一京介の最後の台詞

「私ね、そこで調べるのをやめました」

にはなんとも「ひんやりしたモノ」を感じずにいられません(^_^;)
本当に蒸し暑いこの時期にふさわしいBS再放送でございました。

さて、この作品の圧巻は、なんといっても山崎努さんのこちらのお姿↓



もうねぇ、これ以上恐ろしいビジュアルはリメイク不可能! とワタクシ断言できます。
いいですか、誰かに酷いことをすると、こんなおじさんに切り殺されたり、撃ち殺されたりするんですよ! と。

ところで、尼子の落人を惨殺した村人は「報奨金に目がくらんだ」という設定なので「そりゃ、祟られてもしかたない」と思うのですが、もし「村人の命が掛かっていたとしたら」と考えた時、それでも祟られてしまったら。。少し気の毒かもしれないとも感じます。

相手が憎かったわけではない。あのときは殺すしかなかった。。
終戦の番組で、そんな証言を何度も聞きましたっけ。

そういう現実を突きつけられたら、自分ならどうするだろう、と考えてしまうと、村人の選択を笑えないかもしれませんよね。

燃える多治見家を見つめる尼子義孝役の夏八木勲さんの表情は、決して「ざまぁみろ。報いを受けて当然なのだ」という喜びの表情には見えなかったんですよね。

深い、悲しい怒り、とでもいいましょうか。

何度見ても「名作」だなぁと思います。
テーマ曲がいつまでも抜けないまま、9月を迎えそうな私です(^_^;)

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