タキさんの押しつけ書評
『米中開戦③④』
昨年の春(2016年4月)に逝ってしまった滝川浩一君を偲びつつ
これは、悪友の映画評論家・滝川浩一が、個人的に身内に流している書評ですが、もったいないので転載したものです。
書評始める前に ①②の時の訂正です。
前回 本シリーズがクランシーの遺作だと書きましたが、ごめんなさい もう1シリーズあります(やったね〓)Command Authority ロシア大統領(元KGB!!!)の秘密をめぐって、30年前のジャック・ライアン・シニアの冒険と、現在のジュニアの活躍が交差する話だそうで、現在 翻訳作業中 さて 出版はいつなんでしょうねぇ。
も一つ情報、現在公開中の「エージェント:ライアン」は一応 3部作予定でしたが、当初予定していた売上が不可能だってのがほぼ確定、シリーズ化にストップがかかっていましたが なんとか継続させるようです。主演のクリス・パイン/キャシー役キーラ・ナイトレイはそのまま、ケビン・コスナーについては分かりません。今作もそうだし、次回の最終作も映画化は不可能ですから、今度は脚本にこだわって作ってほしいもんです。
で、本作の話です。一気に話は展開し始める、もう怒涛の勢いです。
ハッカーの中枢に攻撃を加えるが、捉えたハッカーからはなかなか情報は得られない。ヘンリー・アソシエイツの正体も風前の灯火、最前線の鍔迫り合いはどちらも決定打を放てない。そんな中、中共の物理的攻撃は日々エスカレートしていき、サイバー攻撃も本格化する。
ハッカー対ザ・キャンバスの戦いも佳境を迎えるが、どうも中共側が半歩先を行っている。ライアン大統領とジャック・ジュニアはアメリカを勝利に導けるのか、クラークはどこて活躍するのか。
殊に④は 息接ぐ間もないほど急坂転がるような展開ながら、あくまでもリアル。
クランシーのシリーズに対して「こんな都合良く行くかい!」とお怒りの方がいらっしゃいますが……「そりゃあ小説なんだから」とは申しません。クランシーの言いたいのは、勿論エンタメ作ですからアクションの迫力は強調してありますが 中心をしめるのは「如何にして正確な情報を集め、正当に受け入れ分析出来るかが 総てを決定するんだ」という事です。
ここで言う“情報”とは、他の何物でもない“ヒューミント=人的情報”の事です。確実なヒューミント無くしては何事も失敗する確率が高くなるんだ! とクランシーはシリーズ第一作「レッドオクトーバーを追え」から書いているのです。
ジャック・シニアが大統領になって以来、日本を始め中共、ロシアと戦争の連続でした。
各シリーズ共に 全面戦争の可能性がありましたが、問題の核心部分をピンポイントに潰す事によって最小限戦闘で終わらせています。まぁ、現実にはいろんな考え方の人間、利益の相反する勢力が存在しますから、人間最悪の選択「戦争」の長期化を望む者だっています。ライアンシニアが極めて理性的正義の人(よくボーイスカウトだって言い方をされます)だからこれで済んでいる訳で……確かに「小説なんだから」としか言えませんがね。
作品の中に何を求めて読むか ですが、クランシーの本シリーズが 今の世界の一面をリアルに描いている事に疑いはありません。 話を戦争から生活/仕事に入れ替えれば 我々にも様々なサジェスチョンを与えてくれます。
とはいえ、気楽にお楽しみいただくのが第一であります。小理屈こねるのが私の悪い癖(杉下右京かい?) ごゆっくりお楽しみ下さい。〓
『米中開戦③④』
昨年の春(2016年4月)に逝ってしまった滝川浩一君を偲びつつ
これは、悪友の映画評論家・滝川浩一が、個人的に身内に流している書評ですが、もったいないので転載したものです。
書評始める前に ①②の時の訂正です。
前回 本シリーズがクランシーの遺作だと書きましたが、ごめんなさい もう1シリーズあります(やったね〓)Command Authority ロシア大統領(元KGB!!!)の秘密をめぐって、30年前のジャック・ライアン・シニアの冒険と、現在のジュニアの活躍が交差する話だそうで、現在 翻訳作業中 さて 出版はいつなんでしょうねぇ。
も一つ情報、現在公開中の「エージェント:ライアン」は一応 3部作予定でしたが、当初予定していた売上が不可能だってのがほぼ確定、シリーズ化にストップがかかっていましたが なんとか継続させるようです。主演のクリス・パイン/キャシー役キーラ・ナイトレイはそのまま、ケビン・コスナーについては分かりません。今作もそうだし、次回の最終作も映画化は不可能ですから、今度は脚本にこだわって作ってほしいもんです。
で、本作の話です。一気に話は展開し始める、もう怒涛の勢いです。
ハッカーの中枢に攻撃を加えるが、捉えたハッカーからはなかなか情報は得られない。ヘンリー・アソシエイツの正体も風前の灯火、最前線の鍔迫り合いはどちらも決定打を放てない。そんな中、中共の物理的攻撃は日々エスカレートしていき、サイバー攻撃も本格化する。
ハッカー対ザ・キャンバスの戦いも佳境を迎えるが、どうも中共側が半歩先を行っている。ライアン大統領とジャック・ジュニアはアメリカを勝利に導けるのか、クラークはどこて活躍するのか。
殊に④は 息接ぐ間もないほど急坂転がるような展開ながら、あくまでもリアル。
クランシーのシリーズに対して「こんな都合良く行くかい!」とお怒りの方がいらっしゃいますが……「そりゃあ小説なんだから」とは申しません。クランシーの言いたいのは、勿論エンタメ作ですからアクションの迫力は強調してありますが 中心をしめるのは「如何にして正確な情報を集め、正当に受け入れ分析出来るかが 総てを決定するんだ」という事です。
ここで言う“情報”とは、他の何物でもない“ヒューミント=人的情報”の事です。確実なヒューミント無くしては何事も失敗する確率が高くなるんだ! とクランシーはシリーズ第一作「レッドオクトーバーを追え」から書いているのです。
ジャック・シニアが大統領になって以来、日本を始め中共、ロシアと戦争の連続でした。
各シリーズ共に 全面戦争の可能性がありましたが、問題の核心部分をピンポイントに潰す事によって最小限戦闘で終わらせています。まぁ、現実にはいろんな考え方の人間、利益の相反する勢力が存在しますから、人間最悪の選択「戦争」の長期化を望む者だっています。ライアンシニアが極めて理性的正義の人(よくボーイスカウトだって言い方をされます)だからこれで済んでいる訳で……確かに「小説なんだから」としか言えませんがね。
作品の中に何を求めて読むか ですが、クランシーの本シリーズが 今の世界の一面をリアルに描いている事に疑いはありません。 話を戦争から生活/仕事に入れ替えれば 我々にも様々なサジェスチョンを与えてくれます。
とはいえ、気楽にお楽しみいただくのが第一であります。小理屈こねるのが私の悪い癖(杉下右京かい?) ごゆっくりお楽しみ下さい。〓