魔法少女なんかじゃねえぞ これでも悪魔だ 小悪魔だけどな(≧▢≦)!
28『そいつはレミってやつで……』
「あなた、小悪魔のマユさんね」
「う……何者!?」
こいつ、うちの制服は着てるけどにせもの……いや、人間でさえねえ!
「少し、お話がしたいの。いいかしら」
「こんなとこでかぁ?」
「時間はとらせないわ」
「……中庭にでも行こうぜ」
廊下へのドアを開け……え、ドアはビクともしねえ!
「……なにをしやがった!?」
「ここからは出られないわ」
「ここ、あんまりお話とかする雰囲気じゃねえと思うんだけど」
「そうね、この時間帯、あまりロックもしておけないし」
「じゃあ、どこで……?」
「こっち」
そいつが指差したのは、6番目の個室……。
「え……ここって、個室は5つのはず?」
そいつが指差したのは、6番目の個室……。
「え……ここって、個室は5つのはず?」
「黙って、付いてきて」
そいつが6番目のドアを開けると、他の個室と同じ便器があるだけだ。二人で入ると狭い。
「その便器のレバーを反対側に回して」
「マユが?」
「うん、わたしは、女子トイレ全体をロックするのに力を使っているから」
「しょうがねえなあ……ん? 動かねえぞ、反対側には」
「人間の力じゃね。小悪魔であることを思い出して……早く」
「もう……」
マユが小悪魔の力を籠めると、ガクンと一瞬の抵抗があって、レバーが回った。
マユが小悪魔の力を籠めると、ガクンと一瞬の抵抗があって、レバーが回った。
ジャーーーーーゴボゴボゴボ!!
勢いよく青い水が渦を巻いて流れだした。マユは一瞬トイレの洗浄剤かと思ったけどよ、水はすぐに青い霧状になって、個室を満たしはじめたぞ………個室の壁が消えて、空間が広がっていく。
その時、廊下とのドアが開いた。
「なんだ、開くんじゃない。美紀ぃ、使えるよ!」
その時、廊下とのドアが開いた。
「なんだ、開くんじゃない。美紀ぃ、使えるよ!」
この声はルリ子だ。
「よかったあ! 二階のトイレじゃ間に合わないとこ……ううう……漏れそう!」
美紀は一番手前の個室に駆け込み、ルリ子は、洗面台の鏡を見ながら髪をとかした。すると、鏡に写っていた一番向こうの個室が一瞬揺らめいたように見えたぜ。
「え……錯覚?」
青い霧が薄らいでいくと、鳥の声や木々のそよぐ音で、そこが森の中であることが分かったぜ。
「ああ、やっと落ち着ける……」
そいつは、いつの間にかミニのフンワリしたワンピになっていて、まるで妖精のように見えた。
「さあ、自己紹介からしてもらおうか。取りあえず人間じゃなさそうなことだけは分かったけどな」
「ああ、ごめんなさい。わたし妖精のレミ」
「あ、ドアーフ?」
「ムウ、こう見えてもエルフの王女よ」
「エルフ……にしては、背が低い」
「そう、これが問題……」
「そういうことなら、お医者さんかエステか親父の王様にでも言うこったな」
「ムウ、これは、問題のほんの一つに過ぎないの。それにエルフはお医者さんにもかからないし、エステも関係なし。お父様には108人の王子と王女がいて、いちいち構ってらんないし」
「108人もか!? おめえは何番目なんだぁ?」
「そ、それは、いまは関係ない(>◇<)!」
「でぇ、小悪魔のマユになんの用?」
「あ、そう、用件言わなくっちゃね……その前に、ちょっと深呼吸させてね……」
「長い間、トイレに籠もってて息が詰まったかぁ?」
マユの皮肉も無視して、レミは三回深呼吸をした。
「おまたせ。別にトイレのせいじゃないのよ。あそこはあのあたりで唯一のここへの出入り口だからしかたがないの。でもね、おちこぼれ天使がいるじゃない。雅部利恵って」
マユの皮肉も無視して、レミは三回深呼吸をした。
「おまたせ。別にトイレのせいじゃないのよ。あそこはあのあたりで唯一のここへの出入り口だからしかたがないの。でもね、おちこぼれ天使がいるじゃない。雅部利恵って」
「ああ、おめえら、キリスト教の世界じゃ否定されてるんだったな」
「そうよ、ハリー・ポッタだって迫害うけるとこもあるんだから」
「唯一神だもんな」
「そこいくと、悪魔はキリストの世界でも認知されてるし、迫害されてるって点じゃ、わたしたちと同じでしょ。そいで、わたしたちは、いろいろ相談ぶったんだけどね。なんとかまとまるかなあと思ったら、決まりかけたとこで、文句いう奴が出てくるし、ティンカーベルなんかね……」
「ああ、グチは、また暇なときに聞いてやっから、用件を言え!」
「ああ、実はね……」
レミは、マユの耳元で原稿用紙で1000枚分ぐらいの説明を数秒でしやがった。
レミは、マユの耳元で原稿用紙で1000枚分ぐらいの説明を数秒でしやがった。
「……分かったぁ?」
「ちょっと待て……」
パソコン用語で言うと圧縮された状態でよ、解凍すんのに時間がかかる。
「スペック低いんじゃないのあなたの脳みそ ( ᯣ _ ᯣ )」
「うっせえ、気が散る」
「ムゥ」
三分ほどしてやっと分かった……で、驚いた!
「……ええ、そんなあ!!!!」
小の字がついても悪魔だ。本気で驚くと半径50メートルぐらいの木々の葉っぱを吹き飛ばすぐらいの迫力がある。着替えたばかりのレミのフンワリワンピは引きちぎられてふっとんじまったぜ。
キャーーーーー(”>▭<”)!!
レミは、大あわてで、そこいらの落ち葉を集めて体にまとい、蓑虫のようになっちまいやがった。
「で、どうかなあ、引き受けてもらえる(^_^;)?」
「で、どうかなあ、引き受けてもらえる(^_^;)?」
「ダメだ、マユには、そんな時間の余裕はねえ。なんたって……」
「おちこぼれぇ……」
「修行中だ!」
「はい、修行中」
「それに、マユには拓美って同居してる幽霊もいやがるし」
「あ、その人なら、眠ってもらってる。ほら、気配ないでしょ……?」
「え……ほんとだ」
「それに時間のこともノープロブレム。ここでの一年はそっちじゃ十秒ぐらいにしかならないから。ここは、パソコンのファイルみたいなところ、全てのことが圧縮されてんのよ(^▽^)」
そう言うと、レミは腕を組んでニンマリと笑いやがった。
これが、とんでもねえ物語のはじまりだったぜ……。
そう言うと、レミは腕を組んでニンマリと笑いやがった。
これが、とんでもねえ物語のはじまりだったぜ……。
☆彡 主な登場人物
- マユ 人間界で補習中の小悪魔 聖城学院
- 里依紗 マユの同級生
- 沙耶 マユの同級生
- 知井子 マユの同級生
- 指原 るり子 マユの同級生 意地悪なタカビー
- 雅部 利恵 落ちこぼれ天使
- デーモン マユの先生
- ルシファー 魔王、悪魔学校の校長 サタンと呼ばれることもある
- レミ エルフの王女
- 黒羽 英二 HIKARIプロのプロデューサー
- 光 ミツル ヒカリプロのフィクサー
- 浅野 拓美 オーディションの受験生
- 大石 クララ オーディションの受験生
- 服部 八重 オーディションの受験生
- 矢藤 絵萌 オーディションの受験生
- 片岡先生 マユたちの英語の先生